アメリカのどっかの居酒屋で元ボーイスカウトのオヤジとハイタッチする。
という、壮大な人生構想(妄想)でカブスカウトに上進させた息子も、いまや中学二年生。
先日、市の主催する「イングリッシュ・サマー・キャンプ」なるものに参加してきました。
市内の温泉宿で、ALTの先生たちと、英語で勉強会やスポーツをする2泊3日・・・
帰ってきた息子の第一声は。「ボーイスカウトやっててよかったよ~。」だった。
は?そこ?英語は?英語はどうだったのよ!
と思いながらも話を聞くと。
なんと。居酒屋ハイタッチの妄想を、半ば達成してきたのだ。
彼の班を担当したALTの先生がフィリピン人で、元ボーイスカウトだったんだと。
フィリピンはスカウト活動がさかんで、(アジアで最初の世界ジャンボリーもフィリピン。)学校の部活でもボーイスカウトをやってるくらいだそうだ。
それで、ジャンボリーのことや、今どんなことをやってるか、といった話をしてきたらしい。
でも、それ以上に彼の心に響いたのは、他の、スカウト経験のないALTの先生(オージーとキーウイとあめりか女子)たちも、「ジャンボリー」をふつうに知っていて、彼のなけなしのスカウト用語(英語)をふつうに理解してくれたことだったという。
日本ではふつう、関係者以外ににスカウト用語使っても、まるで通じないからね・・・。
つねに裏道を細々と歩いてきた彼が、人生初のメジャー感を味わったのだ。
その自信ゆえか、記念写真は珍しくセンターに写っている。(笑)
そうだ。せいぜい勘違い・・もとい、勉強して、どっかに留学でもしてきなさい。・・・・自分でお金ためて。
話は前後してしまったけど・・
ボーイスカウトの年少組、ビーバースカウト、カブスカウト時代のことを少し。
この年代は、基本的にひたすら「外遊び」だった。
鬼ごっこ、どんぐり拾い、ボーイスカウト特有のゲーム、歌、雨の日は工作。
そしてたま~にゴミ拾いと募金。
大きな行事は、夏に年に1回のキャンプと、冬のスキー合宿。
日帰りでは、スケート講習とか、電車で行く小旅行。
楽しそうでしょ?実際楽しいのよ。
・・でも、その時楽しくても、次の活動日にはモチベーション下がっちゃってたのね。うちの息子の場合・・。
カブスカウトは、内容自体はビーバーとほとんど一緒。
ただ、カブには「連絡網」という新たな挑戦があって、これがかなりワクワクしたらしい。
年代に応じて、火の番や野菜のカットなんかを、少しづつさせてもらえるようにもなる。
子供は火や刃物が大好きだから、急にいっちょまえになったような錯覚を起こしてやる気になるんだよね。
息子のモチベーション、急上昇・・・。(笑)
そして年度の終盤、ビーバー時代にはなかった「ナイトハイク」で興奮はピークに達する。
ナイトハイクは、夜から夜中にかけてハイキングするっていう、ボーイスカウトの定番行事。
国道の歩道を10キロくらい歩くだけなんだけど、懐中電灯をピカピカさせられるだけでも、小学生男子は喜ぶからね。
そのうえ、夜中に歩くなんて、ちょっと冒険心をくすぐられるでしょ。
信号待ちで寝ちゃう子もいたけれど、それでも全員が完歩して、ものすごく達成感があったらしい。
・・・一緒に歩いた私は・・ひたすら疲れた・・・・(笑)
そう。この時期は、親が地味に大変なのよ。
失敗を承知でやらせる我慢、その結果を受け止める我慢・・・(笑)
子供よりもむしろ、親が修行させられたカブスカウト時代。
リーダーさんは、もっと大変だよね。
でも、子供たちを一人の人格として認めて、得意なことを生かせるように、あらゆることに挑戦させてくれた。
ものすごく手間でリスキーなことなのにね。
学校では怒られてばかりだったし、もちろんスカウト活動でもいろいろやらかしたけど、とにかくリーダーさんたちは根気よく見守ってくれたなあ。
そうそう、チャレンジ章っていう制度もあった。
↑チャレンジ章。左上から横に、手伝い、水泳、旅行、料理、特技(習字)、自転車、修理、音楽
ハンドブックにいろんな分野の達成項目が書いてあって、自分の得意なものを選んでチャレンジするのね。
たとえば「自転車」は、○メンテナンスの仕方を覚える ○交通安全を学んで理解する ○サイクリングを計画して、実際に行く。 っていう項目をクリアする必要がある。
これ、意外とハードルが高いんだよね・・。っていうか、子供だけじゃ無理なんだよね・・・・(汗)
というわけで、取得のためには、親の多大なる干渉が必要になる。
でもたぶん、これは章を取ること自体が大事なんじゃなくて、子供が自分の興味や特技を自覚するってことと、それを親子で共有するのが目的だったんじゃないかな・・・と、今になって思うな。
え?うちの息子の特技ですか・・・・
じょ、女子に溶け込むこと・・かな・・・