感動のあまり赤飯炊いちゃった・・・
ありがとう。
この大会に心から感謝するわ・・
どのスケーターも素晴らしかったのはもちろんのこと、ライストにプロキシ設定がいらず、しかもほとんどストップすることなく、画質も素晴らしかった。
カメラワークは、スゴ技ではなかったけれど、無意味なアップや引きがなく、ニュートラルに演技全体を捉えてくれて好感が持てた。
そして台乗りした方々、皆様おめでとうございます。
あまりに素晴らしくてなんだか力尽きてしまった今週ももう半ばすぎ。
全選手について感想は述べられないけれど・・
気になった演技、現象をぱらぱら、ぼちぼちと。
安藤美姫 マラゲーニャ
のっけからエキシビのはなしですが。
ここで彼女を、しかもマラゲーニャで出すという自由なスペインが好きだ。
日本のテレビが扱いに悩むんじゃないか、解説がログアウトしちゃうんじゃないか、なんて気にもかけない、アーティスト気質の安藤氏が大好きだ。
そしてゲストにふさわしい素晴らしい演技!!
女子シングルの小娘たちに見せつけるね。会場盛りあがる盛りあがる。
海外のアイスショーにまで呼ばれる日本人女子スケーターなんて、彼女くらいしかいないというのに、日本では清潔感などという腹の足しにもならないものが要求される。
彼女はいま、母とかいうポジションに限定されて、アイスショーでも優しく安全なプロに身をやつしてはいるが、内側でふつふつと煮えたぎる毒気は隠せず、どんなにつまらなそうな曲でも、ギラッギラに輝いてしまうというすごい境地に達している。
これはこれでいいけれど、そろそろ直球のセクシープロが見たかったのよ。
そうだ。母がエロくて何が悪い(笑)。もっとやれ。
ジュニア男子銀メダル アリエフくん
フリーは後半の体力がちょっと・・という感じだけど、透明感と陰りのある耽美な演技に吸い込まれる。
しかも膝ついてから跳ぶという独創的な変態ジャンプ技の持ち主!すごい。
ノートルダム・ド・パリってこういう内容だったのね。(笑)
(羽生氏のダムパリからは根性と情熱が伝わったが、彼からは物語と信仰が伝わった。)
メドベデワ
技・体力・芸術性・根性 すべてを高い次元で揃えてる。
そしてエキシのセンスまで良いときている。
もはや別格。まだ16歳だそうだから、うまく年を取れるかどうかが課題なのかなあ。
川口・スミルノフ
BS放送でやっとペア競技見れました。
フリーは昨年の持越しなのね。
ジャンプでコケたから何だ。
4回転2回入らなかったから何だ。
むちゃくちゃ高難度なのに、それだけじゃない、凄み。
エキシのカルメンは、サーカスみたいで大興奮。
男子フリー6分間練習
盛りあがりったら、NHK杯をしのぐほどで、ライストからも尋常でない様子が伝わってきた。
ハビエルには「ピキャー」という悲鳴のような声が。
羽生氏には「うおあああ」という地響きのような声が。
Pチャン
でもって、第一滑走からこのクオリティーですよ。
もうこのメンツなら誰が滑ったってスゴかったと思うんだけど、Pチャンがカナダ大会の神演技を超えるとは、失礼だけど思ってなかったのよ。
ステップレベル4で満点(しかも9人全員満点!)だからねっ・・と、ここでまた絶妙に羽生氏の唯一のほころび(笑)につけこんでくるところもオツである。
しかしまあ、霜降りハイネック衣装から、ヒートテック練習着に変えてしまったのは何かのおまじないでしょうか。
だいす
いろいろ残念ではあったけれど、彼の滑りには心を動かされた。
J-POPがちと苦手なんで、プログラム自体はそんなに好きじゃないんだけど、そういうものを凌駕していたなあ。
ぼーやん
なんだかんだいって4回転4回入れちゃったよ。
そして表現面もNHKよりパワーアップしてるよ。
2年も修行すれば、技術としての表現はうまくなるに違いないし、PCSもぐっと上がるんではないかい?
しょーま
彼の演技がほんとに好き。
まずなにより、振付師でもある、あのゴージャスなコーチの音楽解釈が凄い。
そして彼自身も、音楽を読み解く、アナリーゼするというプロセスを怠っていないように感じるんだよね。
しかも、その解釈を複雑な動きに乗せて表現できる身体スキルが素晴らしい。
かと思えば、フリーのトゥーランドットでは、あえて緻密にせずに、ただ音楽を音楽のまま、イタリアオペラらしく情熱的に演じきってますよ。
たった一年で、彼から放出される情熱量は三倍くらいに増量した。
今回はクリムキンも長かったような気がするし。
音楽を演じる、ということにかけて、たぶん彼の右に出るものは今の時点でいないんじゃないかしら。
もしいるとしたら、絶好調なデニス・テンくらいだ。
昨年の「クロイツェル」は、クラッシック好きの私的には身震いするような神プロだった。
今回のエキシでそれを滑ってくれたのは、大味なオペラだけじゃなく、緻密なクラッシックも得意ですが。という対ヨーロピアンアピールなのか。
または、ピアノ曲で神演技をしたPチャンと羽生氏に、表現力では負けねえぞという気概を見せたのか。
彼の演技から感じる、静かな頑なさと負けん気がまた好きだ。
演技が終わった瞬間に、余韻もへったくれもなくすっと素に戻るあっけなさも、案外好きだ。
そして表彰台のしょーま君・・・どうした!なにが起きた!なぜ羽生と腕を組みたがる!!
彼は表彰台やフィナーレで必ず何かやらかしてくれる印象。今回は国旗の丸の大きさまでがなんだかおかしい。
それにしてもウケすぎですぜ、羽生さん。
↓問題の個所は7分40秒あたりから。後ろからのアングルが欲しいぞ。(笑)
ハビ
彼はすんごい技術を持ってる。ということを、今季初めて思い知った。
細かいところまで技をきかせてるし、ステップからいきなり跳ぶジャンプもすごい。
たぶん今までも凄かったんだけど、それがビシっと決まるような、総合的にクオリティーの高い演技が、あまり出来なくて、ちょいちょい演技が途切れては現実に戻る瞬間が多かった印象がある。
しかし今年のハビは気合いが違う。根性が違う。
世界王者のタイトルは、いってみれば棚ボタ・・だと、たぶん御本人みずからそう思っただろうし、そう思われていることを感じて悔しく思うこともあっただろうと思う。
でもそのおかげで、彼は本当に強くなったのかもしれないな。
今では、少なくとも人間界で彼が一番だってことを疑う人は誰もいない。(笑)
ただ、表現力という意味では、ハビはどこまでいってもハビなんだよ。
粋で男らしい王道のMGMミュージカルプロがものすごく似合ってるけども、そこから先の彼がなかなか見いだせない、新しい彼の魅力が発掘できないところで若干インパクトが弱い。
その点、マラゲーニャはすごかったんだけど、今回もシリアスさやストイックさが足りないんだなあ。
卒倒するくらいセクシーなこのプロを見せて。コミカルじゃなくて。
あと、4回転をビシっと決めてね。
羽生大魔神
フリー演技後、「大魔神」のように腕をさっと顔の前におろして「晴明」から「羽生氏」に戻る。
オペラ座の「バイバイ」に通じる恥ずかしい小芝居をしらっとやってのける彼を見ていると、この世の罪も煩悩も赤っ恥も、除夜の鐘を撞くごとく洗われるな。
・・年の瀬の全日本、来年もいい年になりますように、いっちょお願いいたしやす。
・・・・
世界歴代最高得点、なんてものには一秒だって縁のないただの人であっても。
いい結果を続けて2回出さなきゃならないときの怖さくらいは知っている。
だから、Pチャンにしょーま、ハビと、これ以上ない神演技が続いて、彼がどんなにビビったか。
どんな気持ちでパーフェクトな演技をして、ドヤ顔で〆たか。
そしてキスクラで泣き崩れたか。
その心境は、本人よりも、ライストを見ていた何万もの人間のほうがよく理解していたかもしれない。
しかも彼自身が、テレビの向こうの人間が自分を理解してることを、一ミリも疑ってないんだよね。
彼の演技をリアルタイムで見たいと思う理由は、ここにあるんだよ。
テレビでも、ライストでさえも、画面から飛び出してくるような臨場感がある
この感覚こそ、彼の凄さや芸術性や神がかった演技の根源・・なのかも。