録画で見たショート感想。抜粋で。
ツルスカヤ
実を言うと、12人のうちで一番印象に残ったのは彼女の滑りでした。
ジュニアで見たときはそれほど心惹かれなかったのに・・凄いシニアデビューになりましたね。
ちょいちょい小芝居が入るところといい、衣装といい、プロ自体はメドヴェのお下がりみたいだけど、中身がまるで違う。
ジャンプの大きさ、明確さ、純粋さ。
もう何度も見返してるんだけど、そのたびにジャンプを巻き戻してしまうくらい魅力的。
スパイラルから右足一本で回りこんで跳ぶ3Lo、ぶわっと余裕のある2A、実は男なんでしょ、というくらい幅のある3Lzからのコンビネーション。
スピンもスケーティングもダイナミックの一言で、でもそれが単なる力強さとかスピードとかのゴツい方向に行かずに、あくまでも洗練された、美しくたおやかな滑りに帰着しているという素晴らしさ。
メドヴェばりの小芝居も、彼女がすると「小」がつかなくて、もっと抽象的で舞踊的な、趣味のよい振り付けに見えるから不思議。
ごまかしのない技術、ごまかしのない表現力、171センチもあるという長身もしっかりコントロールできてるし、16歳にしてこのバランス感覚というか、何かを見通したような滑りはいったいなんだろう。
惚れたわ。
一気に惚れた。
フリーがどんな演技になるのか、すごく楽しみ。
しらいわさん
亜麻色の髪の乙女
初夏に麦畑を吹き抜ける風のような温かみある疾走感。
以前にも書いたけど、この曲でこの疾走感を出すというアイデアがジェフのものなのか意図しないものなのかわからないけど、とても新鮮なんだよな・・
衣装もぴったりで、彼女に似合ってる。
ジャンプミスで点数が出なかったけど、美しい演技だったよ。
コストナー
荒川さんも言ってたんだけど、フライングスピンの入りが素晴らしいですねえ。
女子のフライングはたいてい、フリーレッグが一旦落ちてから上がるのに、全く落ちずにそのまま回ってる。
いったい腹筋どうなってるんだ。
今季の彼女のプロはそんなに好きじゃないけど、やはりコストナー、伊達じゃない。
未来
3A入りましたねえ。・・両足になっちゃったけど。
淡々としていた、3Aのない昨シーズンの演技を絶賛した私ですが、この演技はうーん・・ちょっと・・
非常~に戦闘的ですなあ。
ノクターンというより、エチュードとかポロネーズとかの感じ(汗)
羽生氏も2季目の「バラ1」のときは、えらい戦闘的だったけど、彼が幸運だったのは、あの曲はショパンの中でも男性的で多面的で、「戦闘的」な感情も受け入れるだけの懐の深さがあったことなんだよね。(その演技が好きか嫌いかは意見があるでしょうが。)
でもノクターンとか前奏曲とかの小曲は、もっと限られた感情を掘り下げていて、キャパが狭いというか、ハマらないと妙なことになってしまう。
そういう意味で、大曲よりも難しいところがあるのかもしれない・・
本郷さん
カルミナ
今季は気迫とスピードがありますなあ。
今までの荒っぽい強さだけでなく、優雅さと芯のある強さが出てる。
会場をぐわーっと盛り上げるあの力がもどってきたなあと。
いいぞいいぞ本郷さん!
宮原さん
SAYURI
素晴らしい復帰戦じゃあないですか。
顔つきも変わったし、体の動きがさらに大きく明確になったような気がする。
腕の振りはもともと良かったけども、さらに体の上下の動きも良くなってる。
ミスはあったけど、全く関係ないわ。
しかしぱっとしない選曲だなあ・・少しも日本らしくないし。
ま、ローリーの趣味だもんな・・
メドヴェ
ノクターン遺作
こちらのショパンは盤石ですな。
いつもどおり。‥良くも悪くもいつもどおり。
テレビではいまいち伝わらないけど、現地で見るといいのよ、彼女の滑り。
なにしろ滑走にも、ジャンプにさえも音がしなくて、気が付かないうちにしれっとやりおおせる。
すごい職人技というか、とにかく「上手いっ」と唸らせられる。
メドヴェといえば「上手い」。
「上手い」といえばメドヴェ。
やっぱり最強ですね。さすが絶対女王。