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NHK杯 男子シングルふりかえり&羽生氏

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思えば試合は11月4日から始まった・・

Pちゃん欠場
のニュースを皮切りに、ダイス、そして大本命の羽生氏欠場がとどめをさしたNHK杯。
総括しますとね、バンクーバー以降、Pちゃん以降のフィギュアがなんとなくつくりあげていた「秩序」のようなものが吹っ飛んじゃった感じの、破天荒な試合でした。

↓破天荒なおっさんたち
イメージ 1

「ジェイソンかな」
「ひょっとしたらアリエフが」
というおおかたの予想?を裏切りまくって台乗りした、平均29歳のおっさん連中。
「6点時代」から第一線で戦ってきた面々。(わお。)

突然現れた「優勝」のご褒美に幻惑されることなく、アツい本気で答えたおっさんたち。
PCSだの多種クワドだの加点だの、そんな時代の要求はなんのその、自分だけのスケートで勝負するブレない演技に、心から感動しました。
鈴木明子さんも言ってましたが、誰もが勝ちに行った中での、経験の勝利、素晴らしかったです。
そしてPちゃん・・・悔しかっただろうなあ・・(汗)


対する若手もすごかった。
とくに友野くんのデビューは素晴らしかったですねえ。
けっこう語り尽くしたので割愛するけど、先日放送された「KENJIの部屋」も面白かったし、これでファンを一気に増やしたな。

佐藤ひろあきは、フリーの演技がまとまらなくて残念ではありますが、あのしつこい「フィーガロフィガロ」が見られて私は満足です。(解説とか、もっとウケてほしかったなあ。)
昌磨もね、変な編曲するなら、あのくらいやっちゃったほうがいいわよ。(←嘘。)

最年少のアリエフ。
今回はうまくいかなかったけど、ここでいい演技をしたからどうっていうような、スケールのちっさい選手じゃないのよね。
ポテンシャルはNo.1だし、年齢もまだ若いし。
オリンピックなんていう短期目標じゃなく、その先を見てるんだなと思う。
なぜだろう、私、エテリの弟子だと勘違いしてたけど、違ったわね(笑)

デニスは、まだ18歳だけど、どっちかといえば「おっさん」チームに入れたいくらい出来上がってる。
コーチが「おっさん」とほぼ同世代ですしね。(笑)
勝つためのスケートじゃないですが、でもルールが変われば敵なしになる可能性が高いなと私は見てまして。
例の「アーティスティックプログラム」っていう案、あれはランビエールのこういう育成活動をモデルにしてるんだろうなと、勝手に思ってますよ。

メッシング、またキスクラでハットかぶってましたね。
あれはいったい何だろう・・彼のトレードマークなのか?
世界選手権に出られたら、Jスポーツのインタビューでぜひ聞いてほしい。

ヴォロさんの演技もだけど、リッポンの鳥プロ、感動的でした・・。
4Lzも入って、2016年世界選手権以来の会心の演技。
とくに後半、ヴォーカルが入るあたりから、ジャンプが決まるたびに心からの喜びをあらわにしていくリッポンは、振り付けとか身体表現とかを超えて、リッポンそのものとして美しかったです。
ケガからの復活を歌った、誰よりも、羽生氏に見てほしいプロでしたね、これは。

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さて、その羽生氏についてですが。
しっかり姿を見せてくれたことで、ファンの動揺は少し収まったでしょうか??

彼のケガについて、いままであんまり書きませんでしたけど・・
・・何も書けなかったのよ!(書いたけどアップできなかったのよ!)

だって・・
何回やらかしたら懲りるのよ!
体調聞かれて「バッチリです」って言うまでに、一瞬の間があったの、見逃さなかったからね?
そのあと慌てて作り笑いしたのもお見通しだからね!
病み上がりで4Lzとか、ほんとに何やってんのよこのスカポンタン!

なんて、書けるわけないじゃない!(書いてるけど。)

・・・・心配しましたよ。
故障はもちろんだけど、どっちかといえば、彼の闘争心、プライドの高さ、潔癖さを一番心配してました。

だから、欠場と聞いて、ほっとしましたっけ。
理由はともあれ、とにかくリンクから遠ざけてしまえば、どんなに吠えようが暴れようが、こっちのもんですから。(猛獣扱い。)


そしてぶっちゃけ・・
これはチャンスだと、いい「断捨離」だと思いました。

だって、GPF5連覇なんていうどーでもいい挑戦をしなくて済むんですよ?
ふたたび3冠を達成しようとか、変な欲をかかなくて済むんですよ?
世界ランキング1位からは落ちるでしょう。
全日本チャンピオンの座は、既に失ってる。

・・完全に、追いかける立場じゃないですか。

いや、以前もそれとなく書いたんだけど、「圧倒的に勝ちたい」のインタビュー。
言葉自体はいつもどおりだけど、言い方とか表情とかに、ちょっと「負」の感情が入っていて、ヤバいなと、思ってたんです。

3年前もそうだったけど、現五輪・世界王者としてのプライドと、彼独特の強烈な上昇志向型のメンタリティーとの折り合いがついてない感じがしました。
いい意味で持ち続けてきた「欲」が、無邪気さを失って、裏目に出てるような。

ケガそのものは不運だし、その点で不安要素はまだあるけども、NHKを欠場したことやGPFがなくなったことは、オリンピックのためにはプラスでしかないですよね。
彼にとって一番の敵がインフルエンザなら、次に怖いのは、彼自身だと思う。
この欠場で、彼自身に勝つための試練を一つ乗り越えたんじゃないかと、12日にNHKで放送された、単独インタビューの映像を見ながら、改めて思っています。


3年前の、2014年バルセロナは、羽生史上一番好きな大会なんです。
ケガからの完全復帰。
構成も落とし、ミスもあったけども、彼は常に楽しそうで、ショートも、フリーも、エキシビにもすべて、感謝の心があふれてました。
ほんとうに、何度も見返したくなるような素晴らしい演技だったんですよね。
このチャンスを力にするかどうかは彼次第だけど、あのときのような心のままの演技を、オリンピックでも見たいなと思ってます。

・・というわけで。
トップオブトップの試合で なかったけど、NHK杯、素晴らしい試合だったなと。
羽生氏にとっても、悪いことばかりじゃないんじゃないかと。
そんな印象の、男子シングルでした。

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