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Channel: 映画・海外ドラマ 覚え書き
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USインターナショナルのさとこさんFSの美

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さとこ優勝おめ!

今更になっちゃったけど、USクラッシックのさとこさんFSについて。
SPも素晴らしかったがこのFSもまたいいわ・・
っていうか、2014年の「魔笛」がおそらく変衣装のせいでぱっとしなかったのを除けば、この4年間、エキシビまで含めてひとつもハズレプロなしじゃないですかさとこさん。
いや、どんなスケーターだって、特に10代の頃にはダサプロ迷プロびっくりプロ、変衣装に謎編曲の黒歴史があるもんですよ。
しかし、宮原知子には良プロしかない・・


ジャンプは残念だったけども、それを凌駕するプロと演技の素敵さ美しさ。
とくにスピンの途中にヴィヴァルディの冬が混ざってくるところの、腕を斜めにするポジションと、そのスピンが終わったあとの小休止がいいな。

衣装もいいわ・・
3年前のファイアーダンスの、裏にちらりと黒が見える、あの衣装が私はものすごく好きだったんですよね。
今回はその逆バージョンで、まだ子供らしさ、娘らしさのあった赤い衣装を、ちょっと懐かしく思い出す。
衣装はディクソン氏が考えてるんですかね・・
だとしたら演出家だわ・・

彼女は、ここ数年でほんとうに見違えるように洗練されたけれども、それでも、表現することを初めて知ったようなキラキラした高揚感を失わないんですよね・・
そのことを、プログラムからも衣装からも感じて、なんだか涙が出る。


さてFSの音楽は、ピアソラの「ブエノスアイレスの冬」ということで、
え・・・タンゴかよ・・・とぜんぜん食指が動かなかったんですよね。
そしたら編曲が素晴らしい。

音源がこれかどうかは全然確認してないけど、編曲はたぶんこれですかね・・

ヴァイオリンのソロと、小編成の弦楽オケ。
プロのほうではさらに、冒頭にピアノのソロをつけてある。

これほんとに知子さんのための編曲みたいに感じる・・
何がいいって・・バンドネオンがないんですよ。


彼女はね。基本、タンゴっていうシチュエーションには合わないと思う。
合わないけど、合わないからこそ、最初からそこにいるんじゃなくて、のっぴきならぬ事情で身を落とした悲劇的な女性・・みたいに見えるし、その擦れない美しさを、バンドネオンのない演奏が引き立ててるなあと。

彼女がいるのは、ブエノスアイレスの、まあおそらく花街の、バンドネオンやギターの音楽が流れているようなところなんだと思う。
でも、彼女が心の中でその音楽を聞くときは、子供の頃に習ったヴァイオリンやピアノで聞こえるのかもしれないし、現実に踊るのはつまらない男だったとしても、目をつぶって想像するのは娘時代に出会った人品卑しからぬ人とのダンスなんじゃないか。
なんてことを想像したりする。

もちろんいろんな見方ができると思うけども、私は、苦界にあってもなお、少女の心を忘れずに束の間の空想に遊びながら現実を乗り越えていく、ちょっと蝶々夫人と重なるような、ロマンチックなキャラクターを想像したかな。
でもそうじゃないとしても、本当に、涙が出るような美しいプロ、美しい演技だったと思う。


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