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Channel: 映画・海外ドラマ 覚え書き
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全日本フィギュア 女子フリー

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なんといっても宮原大明神の神演技ですな。

リンクに立って、手を広げて立つ姿からして、格が違う。
貫禄?
なんかぴったりこない言葉だなあ。
神々しい?
それもなんか違う。

宮原氏が演じるこの子は、可憐でな少女ではあるけれど、無邪気ではないのね。
冷静に自分を見つめる知性もあるし、自分を美しく見せたいという虚栄心もある。
彼女は初恋の男の子を見ているというけれど、ほんとうは自分自身に酔っている。

彼女の演技から感じるのは、純真無垢な少女なんて存在しないっていう、身も蓋もない事実なんだけど、それでも最後には、彼女の誠実で正直な印象が残る。
そこが、魅力なんだと思う。
何度も言うとおり、私はローリーの振付が苦手。
でもこの演技から、ローリーの影は全く感じないわね。もう完全に、宮原氏のものだと思う。


浅田真央
これは今季一番の演技でしょう!
3Aコケがなんだってのさ。
コンビネーションつかないからなんなのさ。
回転不足?プロトコル見てないからわかんない。

たしかにジャンプミスが続いたけど、後半、落ち着いてくると、彼女はもう「蝶々夫人」じゃなく、彼女自身の気持ちをあらわにして、滑りたいように滑ってたのね。
今季はじめて感じる力強さ、そして気持ちのよさだった。
結果として、「蝶々夫人」のキャラクターもよく出ていたと思う。


「プログラムには、そのときの演者の感情が入っていい。感情が入ったとき、プログラムは生き物になる。」
「自分がしたいから、する。」

先日、フリーの前に放送された羽生氏のインタビューが、ことの核心をついている。
まったく、こいつはなんて奴なんだ(笑)

たとえば音楽の演奏ってのは、楽譜を再生することじゃなくて、音楽に自分の人生経験を感じて共鳴することだと思うんだ。
観客は「そうだよね」と同意したり「そういう考えもあるのか」と思ったりしながら演奏を聴く。

スケートは、他にもっとたくさんの要素や目的があって、たぶん楽器の演奏みたいにシンプルじゃないと思う。
ジャンプがどうとかルールがどうとか、そちらを遂行するだけでも大変なことだと思うけれど、見ているファンの心理は、究極的には音楽を聴くときと同じだと思うのよね。

美しく振りつけられたプログラムを黙々と遂行するスケーターを見たいわけじゃないのよ。
もちろん、若いスケーターならそれもアリだし、ジャンプの爽快さや、目をうばわれるようなスピンを堪能するっていう楽しみもある。
衣装を眺めたり、振付師の意図を探るという楽しみもね。

でも、一人前のシニアスケーターには、彼女自身が自ら出てきて、対話してくれることを期待する。
上記の名言を残した(笑)羽生氏は、たまたま生の「感情」を出すタイプだけども、思想でも生き方でも、プログラムへの共感でも、自身から直接でてくるものならなんでもいいんだよ。
それが振付師の意見だとしても、自分の経験を通してそこに実感があるなら、それでいいんだし。

今までの彼女は、蝶々夫人に共鳴できてなかったと思う。
彼女は、同じ女性、同じ日本人としてではなく、ハンヤンの名言を借りれば「傍観者の立場で」演じていて、不幸な女性に対するあわれみすら感じたのね。
でも蝶々夫人はどん底の人間じゃないんだよ。
芸で身を立てることもできたし、子連れでも一緒になろうという男までいたんだよね。
それなのに、それをふってピンカートンに執着したのは何故なのか、答えは浅田氏自身のスケートにあると私は思ってただけに、「傍観者」演技は残念でしょうがなかったのね。


でも今回は、初めて、「よかった。」と思える演技で、そのこと自体がうれしかったな。
彼女の経験のパーツが、蝶々夫人の人生のパーツにハマったか?
といえば、そうではなさそうだけど(笑)、少なくとも、彼女自身の執念と踏ん張りと鬼気せまる気迫があった。生きた人間がいるのを感じられたよ。

物語には直接出てこないけれども、穏やかに見える蝶々夫人だって、夫を待つ長い時間の中には、「六条御息所」や「お七」や「清姫」みたいに、執心で鬼になる瞬間があったはず。
「蝶々夫人」はあくまで、外国人が見た日本であるし、プッチーニのオペラでしかないんだし。
彼女自身が感じる違和感や気づきがきっとあるよね。
そういうもので、物語に描かれていない空白を埋めていってほしいな・・・
これからの進化に期待しております。


本郷理香
いままでで最高のリバーダンス、ではなかったかもしれないけれど、またひとつ洗練されたな。
この2つのプログラムは、見ていてほんとうにワクワクするし、楽しみだから、彼女が世界選手権に出てくれてほんとうにうれしい。

なのにインタビュー内容は
「宮原知子はちょいちょい面白いこと言う関西人」
「羽生より手が長い」
ですか?
彼女は織田信成ポジションなのか?



樋口新葉
いやああ、スゴかった。
本郷理香とまた違うタイプの豪快スケーター。
「マスク・オブ・ゾロ」って映画見てないんだけど、彼女が演じているのはたぶん、ヒロインじゃないよね?剣士だよね?
女剣士なのか?
(調べてみた。)
ああ、女剣士ね。キャサリン・ゼタ・ジョーンズなのね。
なあるほど。

失礼だけど、キャサリンみたいな「美人」じゃないところがいいね。
ともかく男前、キレっキレ、ジャンプは助走なし。
女として美しくしようというような妄執など一切なく、ただひたすら演技に集中。
でも結果として、動きのひとつひとつがこの上なく美しいし、なぜか色気すらあるじゃない。
なんというか・・超ドSな女王様の色気が。(笑)

チアリーディングのような雰囲気もあって、表現的には、アメリカの選手を彷彿とさせる。
アシュリー・ワグナーとかマックス・アーロンとか・・(以下、男子選手がイロイロ思い浮かんだので自粛。)
まさに武道家。
夏のショーで彼女のマンボを見たとき、「いつかエキシで美空ひばりの『柔』を滑ってほしい」と書いたんだけど。
なんかやってくれそうな気がしてきたぞ。(笑)

ジュニア世界選手権、今年はもちろん優勝→シニアを狙ってるよね。
でも成績よりも、彼女には何か、一石を投じるようなインパクトがあるのが凄いと思う。

あ。ショートのときに書き忘れたんだけどさ。
最後のキメポーズ、高橋大輔の「マンボ」の「ウー」のポーズなんだよね。あれには笑った!!

がんがれ~~

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最後に。
四大陸の出場選手見ました。
女子は世界選手権と同じ。
男子は羽生氏が安定の出場辞退。
そして
田 中 刑 事 !!!!
ああ、なぜかわからないけど・・・胸熱だわ。

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