「俺が言いたいのはな、マーク、『薔薇の名前』は落ち目俳優のまぐれアタリに過ぎないってことだ。」
と、かつて「トレインスポッティング」のシック・ボーイに言わしめた映画。
題名だけ聞いていたものの、初めて見ました。
中世の修道院を舞台にした推理もの。宗教裁判もの。
大真面目で、薄暗く陰気な映画で、当時なんでこの映画が受けたかは、正直いって謎です(笑)
推理ドラマとしては、・・・え?という展開で、あんまり納得がいかなかったし。
恋愛ドラマとしては、女優さん髪型ひどすぎだし。
でも、服装とか調度品の質感にものすごくリアリティーがあるのです。
登場人物たちは、揃いも揃ってクセモノというか、ヘンな顔ばかりなので、顔を見ているだけで面白い。
でまた、ビミョ~に笑いを利かせてくるんですよね・・
個人的にツボったのは、太った3人目の被害者の検死。
これがまた死体になりきってるというか、腕を持ち上げて放すと、無反応に、「プルルン」と波をたてて落ちるところがたとえようもなくチャーミングで、うっかり笑ってしまう。(巻き戻して見ちゃったよ。)
役者さんがまばたきしちゃうのもまた、チャーミングですわな。
で、なによりウィリアム(ショーン・コネリー)とアドソ(クリスチャン・スレーター)の師弟コンビが良かったです。
なお、主人公は「バスカヴィルのウィリアム」という名前からわかるとおり、シャーロック・ホームズ風でして、「初歩的な推理だよ」と、お約束のセリフを言ってくれたりします。
しかし、繰り返しますが、推理ものとしては、いくぶん無理があるような気がします・・。
さて、ショーン・コネリーといえばスコットランド独立党支持者で知られてましたけど、彼は住民投票の結果をどう受け止めているんだろう、ということがちょっと気になった今日この頃でした。