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Channel: 映画・海外ドラマ 覚え書き
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奇跡のレッスン シェイ=リーン・ボーン

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NHKBSにて。
シェイリーン・ボーンが子供スケーターたちに「いかに表現するか」を教える1週間のレッスン。

私が子育てから得た教訓の一つに、「心に残るような演奏をする子のお母さんは、音楽が好き」というのがある。
そういうお母さんは、ピアノを「教養」とか「課題」とか「叶わなかった夢を娘に託すため」とは考えていない。

たぶん、子供が偶然弾いた一瞬のきらめきみたいなものを、逃さずキャッチして、「その演奏よかったね」とフィードバックしてるんじゃないかと思う。
そのやりとりがうれしくて、子供もピアノに夢中になってるのじゃないかと思う。

スケートを見ていても、それは感じる。
とくに、作りこまれた表現じゃなくて、湧き出るような表現ができるような選手を見ると、これはきっとお母さん(お父さんかもしれないけど)の感性と共鳴してるのだろう、なんてことをいつも考える。

ミスのあるなしは、子供にもわかることで、何より本人がいちばんわかってる。
親の仕事は、ミスの指摘じゃなくて、彼女の・・彼の・・一番の聞き手になること、観客になること、ファンになることだと私は信じている。
やりすぎててこっちが恥ずかしくなっちゃうようなときもあるし、未熟だなあと思うときもあるけれど、そこに何か美しいもの、伝わるものがあるときは、ぐっと我慢して批判しないように心がけている。
修正はこの先いくらでもできるし、それよりも、思いのままに自己表現することを忘れずにいるほうが、ずっと難しいということを、自分の苦い経験で思うから。

ピアノであれスケートであれ、よく言われるように、「日本人は表現が苦手」、ということがもし現実にあるのだとしたら、一番の問題は、その表現を心から受け取ってくれる聴き手がいないということに尽きると思う。
ちょっと変なことをして笑われたりすると、一気に自信をなくしちゃう。
学校の音楽教育が「聴き手」を育てていないことも問題のひとつかな。
たとえカッコ悪くても、上手じゃなくても、発信していいのだということを伝えられるのは、基本的には親しかいないような気がする。

シェイリーンは一週間もかけて、いろいろなレッスンをしていたけれど。
一番伝えたかったのはそのこと、レッスンしたかったのは「親」なんだろうと、この番組を見て思った。


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