もう何から書いていいんだか・・
と思っているうちに3日も経ってしまいました。
今、演技をふりかえって、特に鮮明に印象に残っているのは、ステップ序盤、振り向いたときの表情。
美しい、というより神々しかった。
何か特定の感情を表現した顔ではなくて、内面が透きとおって見えているような。
充実してブレのない、演技に入り込んでいるのが見てとれる表情。
4回転が注目されるけども、そしてもちろん、4回転4回あってこそのこの結果なんだけど、このプロの一番の見せどころ、ハートは、前半のステップだと思う。
おそらく彼自身、そのことをよくわかってるんだと思う。
これまでも、穏やかな音楽に合った表情や雰囲気を丁寧に作りこんで演じていたし、そのために自分の心をコントロールして、音楽にふさわしい表情を引き出そうとしているようにも見えた。
でも今回は、心が「コントロール」を必要としていなくて、自由に放たれたまま、無理なくこの音楽になりきっている感じがありました。
表情も、作ったようなところがまるでなかった。
ま、それを「ゾーンに入った」というんだろうけど。
細かいことを言えば、いつもより体の動きが小さめだった気がするので、後半に備えて少しセーブしたのかな。
でも、心と演技と音楽に少しのズレも感じない、一体感のある美しいステップでした。
それともう一つ感じたのは、欲のなさ。
そう、欲ね・・
彼の何がいいって、あの欲張った性格なのよね。
見ていてすごく面白いし、スカッとする。
でも演技の中に、「大差をつけて勝ちたい」とか、「人のやってないような難しいことをやって勝ちたい」とかいう自己顕示欲がちらちらするから、彼の競技プロは「凄い」し「面白い」し「興奮する」けど、「感動する」ことは、実はあまり多くなかったりするんだよね。(ショーナンバーは別として。)
今回の演技は、「勝ちたい」という強い意思は感じたけども、自己顕示欲は全く感じなかった。
まあ現実問題として、欲なんかかいてる場合じゃなかったんだろうけど・・(笑)
それが幸いしたのかな。
どちらにしても、余計なもののそぎ落とされた、羽生氏の一番美しい部分を見せ切ったと思う。
これができるのは羽生氏しかいない、と断言できる、輝かしくて、エクスタシーがあって、しかも感動するパフォーマンスでした。
この大舞台の最後にこんなにいいものを見せてくれた羽生氏に感謝。
そして、いろいろムカつくこともあったけど、男子フリーをきちんと生中継で見せてくれたフジテレビ。
生中継でなければ、そしてテレビのキレイな画面でなければ、これほど鮮明な臨場感はなかったと思う。
くやしいけど、感謝してるよっ!
他にもいろいろ書く予定だったんだけど、どうでもよくなっちゃったな・・
また改めます。