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Channel: 映画・海外ドラマ 覚え書き
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主任警部 アラン・バンクス 3

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アラン警部がかえってきました。
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「これといったきっかけがなくて進展しないまま終わってますが、なにせアニーは肉食系ですから、この2人は遠からずうまくいくことでしょう」
 
 
今回も進展しなかった。
 
第二シリーズをはさんで、たしかに、いろいろありましたね。
アニーは誰の子かわかんないけどとりあえず出産したし。
前回からやってきたモートンは、超カタブツで何かとめんどくさいし。
 
だけど、だけど、アランはますますカッコよくなってるのです。
あいかわらずしょぼくれてるけど、眼力はますます鋭く、困ったような顔は、以前ほど不安定ではなくて、年相応の落ち着きが出てきたような気がする。
アニーも、コブつきで問題はあるけど、総合的には穏やかになったよね。
 
ここで進展しなくて、どうするのだああああ!!!
 
 
今回ことさら思ったこと。
アランの部下には、ケンとか・・・ほかにも細かくいいキャラがいるけれど、チームの主導は完全にモートンおばちゃんとアニーおばちゃんの一騎打ち状態になっている。
なんなんだ、この職場はw。
 
セクシーな美男美女が集う職場で、誘ったり恋人を取りあったりというドラマは多いでしょうけれど。
ヨレヨレのおっさんを中心に、田舎訛り丸出しのガツガツなおばちゃんたちが火花を散らすのがメイン・・とは、なんちゅうドラマじゃ。
 
 
いつもながら、ヨークシャーの景色がむちゃくちゃ綺麗でした。
天気はいつもどんよりしてますけどね。
羊を囲う石垣のある、なだらかな丘がどこまでもつづいいてます。
イギリスって狭い筈なのに、あの景色が延々と続いてるのだとしたら、すごく不思議な気がします。
 
 
5・6話に登場した、犯罪グループのトップでガンを患っていたジェンキンスは、「ブラス!」・・・って、もう20年近く前の映画で、アラン警部ことステファン・トンプキンソンと共演してました。
「ダウントン・アビーのカーソンさん」ことジム・カーターも一緒に。
 
↓この映画です。40秒あたりからが、今をときめくおっさん達の出番。
  ・・ユアン・マクレガーも地味に出てます。私の好きな映画ベスト5に入る名作。
 
 
 

皇紀2600年祝典曲 その他マイナーすぎるシュトラウス3曲

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今年は生誕150年っつう微妙~なメモリアルイヤーで無理やり盛り上がを見せているリヒャルト・シュトラウス。
グルックとか、C・P・E・バッハとか、生誕300年な人が、地味すぎるがための対処とおもわれます。
 
というわけで、シュトラウスのマイナーすぎる曲を集めたN響定期公演。
クラッシック音楽館にて放送されました。
 
○祝典前奏曲
○皇紀2600 年祝典曲
○バレエ音楽「ヨセフの伝説」
 
の3曲。
皇紀2600年祝典曲・・・・出オチの予感(笑)
指揮は、ハゲかっこいいパーヴォっちのお父さん、ネーメ・ヤルヴィ、御年78。
 
祝典前奏曲
盛り上がる曲でした。
昔の超ベタなハリウッド映画のクライマックスに流れてそう。
 
皇紀2600年祝典曲。
オルガンは入るわ、仏さんの前に置いてある「チーン」っていうあれの巨大なやつが並んでるわ、スゴイ編成でした。
スゴイこたあスゴイが・・・
「チーン」以外に日本らしさも、祝祭らしさも、あんまりなかった。
解説の字幕によれば、「噴火」だの「サムライ」だのの細かい標題があるらしいのだが・・・・(笑)
 
余談ですが、今、地元の小学校3年生が使う地域資料の改訂作業をしている最中で。
地元の記念碑に「皇紀2600年」と彫られている件について、どう説明したものか悩んでいるところ。
だいたい、小学生にこのマメ知識は必要なんだろうか(笑)。
 
 
「ヨセフの伝説」は、普通にシュトラウスな曲。
一幕もののバレエ曲というから、「春の祭典」くらいのボリュームかと思ったら、はじまってみると長い長い。
 
これまた解説によれば、ヨセフっていうお兄ちゃんが、富豪の妻に迫られて逃げ回る、というお話らしいです。
逃げ回られるほどヤバいオバちゃんだったんだろうか、富豪の妻・・・
でも、音楽だけでは何が起こってるのかさっぱりわからないし、正直、音楽だけですごく楽しめるっていうわけでもない。
バレエで見れば面白いのかもなあ。
 

フィラデルフィア管 ヤニック・ネゼ=セガン マーラー「巨人」ほか

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またまたクラッシック音楽館の放送にて。
この番組、最近ちょっと密度が濃い気がする。気のせいだろうか??
 
アメリカのオケの習慣なのか・・
演奏時間のだいぶ前から、コンサートマスターを除く団員全員が舞台上にスタンバってます。
そして、練習やら雑談?やら、めいめい好きなように時間を過ごしている。
時間になると、コンサートマスターが現れ・・まあ、状況からいって、拍手で迎えられますわな。
別格の扱いで登場したコンサートマスターがお客さんに一礼ののち、チューニングがはじまる。
チューニングが終わると、指揮者が登場して、いざ演奏、という段取りになってます。
なんだか不思議~。
 
もうひとつ印象に残ったのは、お揃いの派手な楽譜カバー。
ブラバンではありがちだけど、オケってたいてい黒とか・・じゃないかなあ?
こんど観察してみようっと。
なお、色が真っ赤なのは、この直前に中国ツアーがあったからではないかと、勝手に深読みしておりますが。
 
指揮者のヤニック・ネゼ=セガン、超若い。若いがどっかで見たことがある。
調べてみると、METライブビューイングで「カルメン」を振ってた人だそうだ。ほ~っ。
 
演奏、すごく面白かったです。
一言でいえば、元ブラバンの血が騒ぐ演奏
 
盛り上がるところはドカーンと盛り上がり、溜めるところは心ゆくまで溜める。
超メリハリがきいて、映画音楽みたいにきっぱりと楽しい。
こういう楽しい演奏って、ポピュラーと紙一重というか、あんまりやっちゃいけないんじゃないか、と、私なんかは勘繰っちゃうわけなんだけど、そういうヘンな先入観は、アメリカ大陸のオケや指揮者にはないのかな?
いや、あるんだけど、あえて、ギリギリストライクを狙ってるのかな?
だとしたら、素晴らしいコントロールのピッチャーであります。ネゼ=セガン。
情熱的でブレない指揮っぷりもあわせて、見て・聞いて楽しかった。
 
アンコールの、小フーガト短調(ストコフスキー編)。
アーティキュレーションがジャジーっつうか・・なんつうか・・ノリがいい。
コール&レスポンス的に次々に楽器を変えながら、これでもか、と盛り上がっていく。
・・これまたブラスバンド的な演奏でございました。
これが、「アメリカっぽさ」なんでしょうかねえ。

数学の放課後学習

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このところ、仕事探してます~なアピールをしていたら。
息子が通ってる中学の、数学の放課後学習の○つけに誘われました。
ボランティアっていう名目ですが、ちゃんとお礼がでます(^^)/
群馬くんだりじゃあ、破格の時給1000円。
 
先日、時給1000円で早朝のテレオペやりました。
それに比べたら天国みたいなもんでしょ。○つけだなんて。
 
と思って申し込んだのが先週末。
これといって連絡もないので、
「いつから行けばいいでしょう~」と3時ごろ電話してみたら、「来れたら4時に来てください」って・・・
 
それでも行ける、ヒマな私。
 
でもって、行ってビックリ見てビックリ。
○付けだけじゃなかったの!
質問に答えたり、指導もするの!
ボランティアって中学生のママばかりかとおもったら、教育学部の学生さんとかなの!!
 
もう笑うしかない。
 
今日の質問
「先生、項ってなんですか?」
私「(先生って呼ぶな~!)・・・・えと・・このカタマリのことじゃない?」
 
ああ、ごめんなさい。脳みその髄まで文系です。
高校で数学赤点取りました。
だって、事前に資格も経歴も、全く聞かれなかったんですもの。
ほんとに、私でよかったんですかね・・・・・(笑)
 
とはいえ、最初にコーディネーターさんに言われた
「途中式をちゃんと書きやがれ」
というポイントだけは、シツコ~く力説してきました。
 
途中式、書かない子がいるのよ。
分かってないから書かないわけじゃなくて。
分かってるから、頭がキレるから、先が見えちゃうんだろな。
頭のスピードに手がついていかなくて、記号とか数字をそこらへんに書き散らしちゃう。
で、混乱してうっかりミス→書かないからミスに気付けないの悪循環で、結果的に、平均以下の出来になってしまう。
非常にもったいない。
 
うちの息子が、小学校の頃このタイプで、勉強以外の場面で同じような問題をよく起こしていた。
問題は、学力よりモチベーションにあるんじゃないかな、と思って、学校の授業とは関係ない、国語や社会の記述問題をさせる塾に入れたら、少し落ち着いた。
この子も、少し難しいくらいの問題で、頭の中の整理整頓をする訓練をするのが近道のような気がするけど、そうもいかないんだろうしなあ。
 
というわけで、3回くらいに分けてこんなようなことを言った。
この問題簡単だし、頭いいから、分かった分かった、って暗算しちゃうんでしょ。
今日は時間がないから焦るしね。
答えは合ってるし、いいんだよ。こんな簡単な問題、いちいち書いてらんないけど、次にちょっと難しい問題になったらね、自分が何でこの答えを出したか分かんなくなっちゃうよ。
テストだったら見直しにえらい時間食っちゃうよ。
中学や高校では、途中式だけでも合ってたら、点数くれる先生もいるんだよ。
バカバカしいと思うだろうけど、次は式も書いてきてよ。
 
次回、少しは聞いてくれるかな。
 

ペーター・シュライアーのカメラ目線すぎる 「野ばら」

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Schubert Heidenr旦slein Peter Schreier

シュライアー&ブッフビンダー「ドイツ・リートの夕べ」Vol.1
という番組より。
 
この歌だけじゃなく、全部この調子で語りかけてきます。

そんなに見つめられると・・・(笑)
 

オックスフォードミステリー ルイス警部

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AXNミステリーにて、念願のHD放送。
 
「主任警部モース」のスピンオフ。
最近は「新米刑事モース」もありますが、これはモースの相棒、”いいひと”ルイスが主任警部になって、ハサウェイっつうインテリなアンちゃんを従えて事件を解決するドラマ。
何年か前にチャンネル銀河で見たのですが、結構忘れてまして、大変楽しませていただきました。
 
このシリーズ、本国では今年で40話、話数では「主任警部モース」本編をゆうに越えてるのに、日本ではまだ20話しか放送されてません。
しかもAXNミステリーでの放送は12話のみ。
今後引きつづき放送してくれるのを切に祈ります。
 
 
このドラマの最大の注目点は・・
あのカタブツなマイホームパパのルイスが、モースが乗り移ったかのごとき、モテモテ大王になってるということですかね。
 
モースとたてつづけに奥さんをひき逃げ事故で亡くしたというルイス、犯人捜しに躍起になったり、結婚指輪を外せなかったりと、なかなか傷が癒えないようなのですが・・・
美熟女たちに誘われると、ほいほいとデートに行ってしまう!
 
それから、新しく上司になった警視のジーン。
ジーンは、とくべつ美人ってわけでもない独身熟女で、ルイスとはあくまで仕事の関係・・・だけど、ステキなドレスでパーティーに出席するたび、ルイスをエスコートにご指名する。
 
検視官のホブソンは、モース時代からのおなじみで、年は取ったけどお美しい。
彼女はモースが好きだったのよね。たしか。
だからルイスにはつれないことを言ったりもするけど、昔なじみの安心感というか、こなれた愛着があるっぽい。
 
そして、部下のハサウェイ(男)。
前職は神父っつう、どこにオチがあるんだかわからない経歴の持ち主でして。
ムダに背の高い馬面の兄ちゃんなんだけど、やや中性的な綺麗さもあり、スネイプ先生ことアラン・リックマンに似た低い美声も魅力的。
そのせいか、少年時代にゲイなお友達に言い寄られたとか、女だと思ってたらベッドで男だと告白されるとか、豊富ではないが濃いい経験を積んでいらっしゃる。
 
ま、お約束だわね。
 
 
さて、モースとルイスは夫唱婦随でしたが。
ルイスとハサウェイは、よく並んで歩きます。しかもシンクロします。そのうち腕組んで歩くんじゃないかと思います。
そして座るときも、近い。近すぎる。っていうか密着してる。
「シャーロック」のハドソンさんなら、100%カップル確定しますが、オックスフォードにはそういうツッコミを入れる人がいないので、そこはセルフサービスです。
それもまた楽し。
 

ジェイン・オースティン 秘められた恋

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いわゆる「ジェイン・オースティンもの」は余さず見てきたつもりの私。
この映画は、オリヴィア・ウィリアムズ主演の類似のドラマと混同していて長らく未見でした。
 
でも感想は・・
「我慢できなくはない。だが気をそそられるほどでもない」(by ダーシー)
ってとこですか。
 
今やオスカー女優のアン・ハサウェイ、大作から微妙な作品まで大活躍なジェイムス・マカヴォイ。
間違いなく美男美女だし、演技も上手いんだけどさ・・
オリヴィア・ウィリアムズの凄みには勝てない。
 
ところでこの映画が未見だと気づいたのは、「ルイス警部」のローレンス・フォックスの過去出演作リストにあったから。
 
ローレンスくんは、ジェイン・オースティンと一瞬婚約するウィスリーという紳士の役。
ジェインにやっとのことでプロポーズしたのに、「マヌケ」呼ばわりされるお気の毒な人。
しかも、彼女が言うほどマヌケとは思えない。やや反応遅いだけで。
そんな彼をマヌケ扱いとは、ジェインって、なんかヤな奴だ。
 
と思いつつ特典の未公開シーンを見てみたら・・・マヌケだった!
未公開シーンのほうが10倍面白いよローレンスくん。
 
長身すぎて、ジェインとのシーンでいつも頭がちょん切れてしまうのも可笑しい。
頭の先ならまだしも、平気で腹とか首とか・・壁紙のように雑な扱い。これはわざとだよね??
 
 
とまあ、編集を含め、なんだか微妙な感じの映画ではあったんですが。
ラストで、ジェインとお友達宣言したウィスリーが、
「世間一般の真理です」
と、「高慢と偏見」の冒頭の一言を言うシーンは、原作ファンとしては鳥肌もんでした。
 

新潮文庫の、新訳「自負と偏見」<高慢と偏見>

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「高慢と偏見とゾンビ」
という小説があります。
文章のほとんどが、オースティンの「高慢と偏見」そのまま、という人を食った作品で、たまに、思い出したようにゾンビが出てくるのが、腹立たしくもおかしい。
冒頭を読めば、「高慢と偏見」愛読者なら爆笑することうけあい。
 
「これは広く認められた真理であるが、人の脳を食したゾンビは、さらに多くの脳を求めずにいられないものである」
 
 
それはさておき・・・
2週間ほど前に新潮から新訳が出ました。
私、アマゾンも待ちきれず、ノーメイクのまま本屋に走りましたよ。
訳者は小山太一、という40歳の若い?方で、冒頭は、こんなふうです。
 
「世の中の誰もが認める真理のひとつに、このようなものがある。たっぷり財産のある独身の男性なら、結婚相手が必要に違いないというものだ。」
 
 
ここで解説するのも野暮な話ですが・・
この超有名な冒頭は、いわゆる三段オチなわけです。(たぶん。)
 
「自負と偏見(高慢と偏見)」なんていう、活動家のアジテーションみたいな題名つけといて。
「これは広く世界に知られた真理である」と、大風呂敷を広げて。
「金持ちの独身男は皆結婚したがっているものよ。」と、井戸端レベルに落とす。
 
でも、私の知っている範囲では、今までこの順番・・真理→独身男・・の順に訳したものがなかったんです。
「高慢と偏見とゾンビ」以外には(w)。
 
たとえば岩波文庫。
「相当の財産をもっている独身の男なら、きっと奥さんをほしがっているにちがいないということは、世界のどこへ行っても通る真理である。」
 
新潮の旧訳、河出、ちくま、光文社の新訳も・・・みんな、独身男→真理 の順番。
これじゃ、オチが最初にわかっちゃう。
 
広く世界に知られた渾身の三段オチ に対する、なんという冒涜。
 
でもこの新訳は、「真理」を最初に持ってきているのです。
それに、文章全体が生き生きしていて、リズム感があって、そのうえわかりやすい。
とくに印象が変わったのが「レイディ・キャサリン・ド・バーグ」かな。
誇張された悪役キャラだと思っていたけど、ほんとは責任感があり、世話を惜しまない立派な領主なんです。
ウザいだけで。(笑)
 
「ダーシー氏」ではなくて、「ミスター・ダーシー」っていうのもいいですね。
映画やドラマでこの作品を知った人間にとって、彼はやっぱり「ミスター・ダーシー」だから!
 
訳者あとがきもいいです。とくに「ジェイン・オースティン略年譜」は必見で、ジェイン個人の年譜だけでなく、アメリカ独立・フランス革命・ナポレオン戦争にインド情勢等々、世界の動きが付け加えられているのが参考になります。
  
新潮版は上下巻ではなくて一冊にまとまっているから、お値段は上下巻タイプの約半分。
字も大きくて見やすい(笑)。
 
というわけで、この訳、かなりおすすめです!
この方の他の訳も読んでみたい。映画「つぐない」の原作の「贖罪」とかね・・
(しょせん、映画ありきのチョイスですが。)
 
ひとつ驚いたのは、桐野夏生って方が、巻末の解説に延々と本編のネタバレ要約を書いていること。
読んだことがある人は、読む必要がなく。
読んだことがない人は、読まないほうが身のためです。(笑)

ショーシャンクの空に を今更初めて見た感想

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感動する映画といえば、ショーシャンクの空に、だよね、と人は言う。
 
・・ので見てみました。今更。
 
 
二十代の私だったら感動したのかなあ?
 
でも、今見るかぎり、なんだか肩すかしなんであります。
娯楽作として普通に面白いけど、感動する、というのとはちと方向性が違うような・・
ラストの海辺のシーンは、美しいけど嘘っぽく・・モーガン・フリーマン演じる元服役囚の妄想か、あるいは国境で射殺されて天国に行ったということなのか。
 
どっちにしろ、無実の罪をかぶったアンディー≒キリストが復活し、人に生きる希望を与えたという寓話なんだろうな、という冷めた見方をしてしまうのは、年のせいか、時代のせいか。
90年代の大金強奪ものなら、「トレイン・スポッティング」のほうが説教くさくなくて好き。
 
でもこれを見て思った。
当時は東西冷戦が終わって、未来に希望のある時代だったんだなと。
「ここでは誰もが無罪なのさ」
多くの人がそう信じていた、9.11以前の、ある意味よき時代のアメリカ映画。
 
ただ、モーツアルトを放送するくだりだけは感動しました。
ここは泣けました。なんでかわからないけど。
 
世の皆様がこの映画のどこで感動しているのか、具体的な感想が欲しいところです。
 

得賞歌 そして鼻から牛乳。

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Handel's Judas Maccabaeus

ヘンデル オラトリオ ユダ・マカベウスより 見よ勇者は帰る

中学のブラバン時代に運動会でエンドレス演奏したおなじみの曲。
楽譜に「ヘンデル作曲」とあったので、初めてこれが由緒正しい?クラッシックなんだと知った。
 
ところで、近頃は学校でもあんまり使わないのか、この曲を聞いた子供たちの反応は薄い。
いったいどんな曲で表彰してるんだろう?
「表~彰~状~あんたは エライ」というフレーズも知らんのだろうなあ。

ちなみに、ゲームオーバーの曲といえばショパンの葬送行進曲だとか。
バッハのトッカータとフーガといえば、鼻から牛乳だとか。
そういうのも、子供たちにはピンとこないらしくて、なんだか残念だな。

ということを、WOWOWで嘉門達夫のライブを見ながらこそっと思ったのでした。
なお、今では忘れられているようですが。
「チラリ~鼻から牛乳~」(inバッハ)は、嘉門達夫の創作ではなく。
もっと前から子供の間ではおなじみの歌い回しでありました。




DNA鑑定で切り裂きジャックが特定されたっつう話

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そりゃ、ガセでしょ・・と思ったけれど、ほんとの話らしい。
 
ソースはこちら
 
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英語なので全部は読んでませんけど。
 
どこかの好事家が、切り裂きジャック事件の証拠品・・・被害者が事件当時身につけていたショール・・・ってのをオークションで手に入れたそうな。
 
そこに被害者と犯人の血痕が付着していたので、それらと、被害者の子孫と、容疑者たちの子孫のDNAと照合したんだと。
 
そしたら、このひと←アーロン・コスミンスキ(?)とかいう人と符合したらしい。
 
符合したのもすごいけどさ。
そのショールがオークションに出てたってのが、一番すごいな。
 
ドラマの「ホワイトチャペル」では、ホワイトチャペル署の地下に数百年分の証拠や資料が積みあがっていて、それをバッカンが整理分類するんだよ。
 
なのに・・
実は、証拠品は売り払われていただと?(笑)
 
 
 
被害者の子孫も容疑者の子孫も、よく協力したもんだなあ。
あんまり名誉なことでもなかろうに。
 
とはいえ、ショールの血痕が殺人時についたという証拠はあるのかな。
被害者の血痕の上からついてたと証明できるなら別だけど。
それに、血液のDNAって、100年も保存されるのか?
 
私はこの事件に詳しくないので、当時、なぜ彼が容疑者とされたのかを知らないけど。
いくらDNA鑑定といったって、これで完全に決まり、というわけではないんじゃないかなあ。
ま、これを機にジャック熱が高まり、面白いドラマが作られるのを期待。であります。
 
あ、そういえばマシュー・マクファディンの「リッパー・ストリート」見るの忘れてました。
なんかクセがあって、見づらいんですよね・・そのうち見よう。
 
 
続報。
この話、今日は日本語のニュースでも流布してました。
それによれば、事件当時の警官が、いいショールだから妻にあげよう!と思って現場からネコババ。(笑)
でも妻は、「血がついたショールなんてイヤ」と言ったのでお蔵入り。(当たり前だ。)
それを、その警官の身内か誰かが近年、オークションに出したらしいです。
いくらで落札されたのかなあ。
 
そういうところばかり気になってしまう。
 
でも確かに、ぱっと目を引くようないいショール。
インドの、絹の手織りっぽい気がする。
どうでもいいことでした。
 

玉村名物の生ロールケーキを比べてみた

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超地元なネタですみません。
 
いま、佐波郡玉村町、っていうところで仕事してます。
このあたりじゃ有名なロールケーキやさんが二軒、同じ通りに並んでいるので、二連続で買ってみました。
 
写真も撮らずにこんなの書くなんて反則でしょうが・・
 
 
一軒は福嶋屋
店舗は小奇麗、駅にも出店してるし、「ぐんまちゃん生ロール」なんてキャッチーなものもあって、手広くやってる店なので、知名度は抜群(inぐんま)ですな。
 
生地は、いわゆるもちふわ。気泡が細かくてしっとりした、ムースのような、イマドキな食感。
クリームは洋酒やバニラで香りづけがされて、甘みと香りが強めな、コンビニスイーツ的おいしさ。
全国で人気があるとかで、通販もやってるらしいし。
 
 
もう一軒は、みよし乃
名前も店構えも、広いがやや雑な駐車場も、どこをとっても昭和な感じ。
 
ショーケースの生ロールは、気泡が荒くてパサパサしてそうだな・・・というのが第一印象。
 
が、食べてみると、見た目とは大違い。
薬剤を使った食感じゃなくて、泡立てた卵の弾力に、砂糖と粉と卵と、本物の生クリームの味。
たまに、素材だけが売りの、「健康食品」みたいなケーキに当たることがあるけれど、そういうのではなくて、しっかりおいしい。 
 
なお、値段はどちらもほぼ同じ。
店員さんも、どちらも気さくで感じのいい人。
 
店のHPを見てみると、お互い元祖を譲らないようだけど(笑)
全く違う味・コンセプトだから、どっちが先かはまあ、どうでもいい話かも。
それよりも、このトラック行き交う工場地帯で、なぜか「ケーキ」だっていうギャップ感と、両店が補いあうようにして「名物」をつくりあげているのが面白いと思う。
どちらか一方では、こうはならなかっただろうな。
・・・ということを感じた食べ比べでした。
 

薔薇の名前

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「俺が言いたいのはな、マーク、『薔薇の名前』は落ち目俳優のまぐれアタリに過ぎないってことだ。」
 
と、かつて「トレインスポッティング」のシック・ボーイに言わしめた映画。
題名だけ聞いていたものの、初めて見ました。
 
中世の修道院を舞台にした推理もの。宗教裁判もの。
大真面目で、薄暗く陰気な映画で、当時なんでこの映画が受けたかは、正直いって謎です(笑)
推理ドラマとしては、・・・え?という展開で、あんまり納得がいかなかったし。
恋愛ドラマとしては、女優さん髪型ひどすぎだし。
 
でも、服装とか調度品の質感にものすごくリアリティーがあるのです。
登場人物たちは、揃いも揃ってクセモノというか、ヘンな顔ばかりなので、顔を見ているだけで面白い。
でまた、ビミョ~に笑いを利かせてくるんですよね・・
 
個人的にツボったのは、太った3人目の被害者の検死。
これがまた死体になりきってるというか、腕を持ち上げて放すと、無反応に、「プルルン」と波をたてて落ちるところがたとえようもなくチャーミングで、うっかり笑ってしまう。(巻き戻して見ちゃったよ。)
役者さんがまばたきしちゃうのもまた、チャーミングですわな。
 
で、なによりウィリアム(ショーン・コネリー)とアドソ(クリスチャン・スレーター)の師弟コンビが良かったです。
なお、主人公は「バスカヴィルのウィリアム」という名前からわかるとおり、シャーロック・ホームズ風でして、「初歩的な推理だよ」と、お約束のセリフを言ってくれたりします。
しかし、繰り返しますが、推理ものとしては、いくぶん無理があるような気がします・・。
 
さて、ショーン・コネリーといえばスコットランド独立党支持者で知られてましたけど、彼は住民投票の結果をどう受け止めているんだろう、ということがちょっと気になった今日この頃でした。

C.P.E.Bach Symphony No.1 in D major, H.663 Wq.183

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運転中、この曲が妙にササりました。
 
有名なバッハの息子であるC・P・Eバッハ・・・・と、いつも長い前置きをつけられるかわいそうな作曲家。
今年300歳ということで、同い年のグルックとともに、薄~くお祝いされているみたいですけど、私よく知りません。
この曲は、先週のNHKBSプレミアムシアターでも放送されていて、そのときは何とも思わなかったんですけどね。
 
  
この曲の面白さ、うまく説明できないですが・・
 
たぶん・・・基本はバロックっぽいと思うんです。
でも、ハイドンのピアノソナタ?と思うようなフレーズもちょいちょい入ってくるんです。
「ドレミファソ」とか「ドミソミド」という、面白くもない数学的な音の並びですね、それが、ちょいずらしとか反転とか、いろんなパターンでもってぐるぐる回る。
 
ちなみに1755年作曲。ハイドンは20代で駆け出し、モーツアルトが生まれる前の年。
バロックっぽいのにソナタっぽく聞こえるというちぐはぐ感は、単に時代のせいなのか、この作曲家の個性なのかは、よくわかりませんが・・・ぐぐっと持って行かれます。
 
何より面白いのは、ムダな疾走感ですかね~。
疾走といっても若者っぽい必死な疾走じゃないんです。ああ~早すぎてコケちゃうよ~とか言いながら超速で走る酔っ払いのオッサン、みたいな感じの自由さが・・・。
 
とくに、1楽章から2楽章に入るところのスローダウン、後続車がいたら釜掘られてます。ぜったい。
 
音楽という世界の面白さだけじゃなくて、パズルゲーム的に、音の並びを楽しむようなところもあって、彼は理系な人なのかなあ、なんて思ったりする。
情緒に浸らず、ポップでわかりやすくて、運転中に聞くのによい曲だと思いました。
ただし後続車には注意。
 
私が聞いたのは、イエスティン・デイヴィースの「アリアズ・フォー・グアダーニ」に入っていた版です。
指揮者は・・Arcangelo Jonathan Cohen 
このCDの演奏は疾走感ハンパないです。 
 

ミュンヘン バッハ管弦楽団 ブランデンブルク協奏曲全曲演奏会

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以前、Youtubeでカール・リヒターのブランデンブルク協奏曲第五番を聞いてスゴい、と思いまして。
そのリヒターの楽団が30年ぶりに来日、しかもブランデンブルク全曲、ということで、行ってみました。
 
ただ、キャッチコピーがやたら「カール・リヒター推し」なのが気になってまして・・
もちろん、リヒター本人は30年も前に鬼籍に入っているわけでして、録音はすごいと思うけど、まさか幽霊が出てきたような演奏するわけじゃないよねえ・・と・・。(笑)
 
でも、そんな不安もどこへやら、ものすごく楽しい演奏会でした。
スタンディング・オベーション出るほど盛り上がった。
そして、ぜんぜん、カール・リヒター風じゃなかった(笑)。
指揮・チェンバロは、ハンスイェルク・アルブレヒトという方。年齢不詳。
 
昔の録音は、大編成で求心力があって、「一糸乱れぬオーケストラ」でしたけど、こちらはわりとユルいところもちらほら(笑)
とくに第一番のホルン・・・遅れてたよね?ズレてたよね?
 
そのかわり、どの楽器も、(演奏者も?)キャラが立っていて、とてもリラックスして楽しそう。
互いに相手の出方を見ながら、ときにはソリスト同士が競争するように先へ先へと進んでいくので、目が離せない。特に第三番はドラマチックな演奏でした。
 
イメージ 1ソリストで目立っていたのは、リコーダー奏者のシュテファン・テミングという人でした。
やたら背が高くて、ちんまりとリコーダーを吹く姿がどことなくユーモラス・・なうえに、まあ、動くわ動くわ。
上下左右に揺れたり、飛び上がったり。
演奏も超絶で、ものすごく速い装飾(即興も入ってた?)を自在に吹いてました。
入退場も天然にお茶目なもので、もうすっかり大人気。
ソリストとしてわりと有名?みたいでCDもたくさんあって、おばさまたちが争って買っていらっしゃいました。サイン会にも出てましたね~
 
 
 
個人的には、テオルボっていう、リュートっぽい楽器が印象的だった。
ギターくらいのサイズなのに、すごく低い音が出て、しかも太棹みたいな、若干エグみのある音色なのがセクシーなんですわ。
奏者のステファン・ラスは銀髪のおじさんで、地味~に通奏低音してるだけでもたたずまいが素敵でしたが、第三番のアダージョの即興演奏がまた自由な感じで素敵。
カッコよかったです。
 
その他、ヴァイオリンとオーボエ素晴らしかったなあ。フルートも。
トランペットは、あの高音をリコーダー並みの弱音&超速で吹く。ありえないわ。 たとえモダンでも。
 
昔の演奏はゆっくりめだったけど、いまどきの速度で聞くと、ほんとにバッハって鬼だなと思う。
名手たちがスゴ技を披露するために書かれた贅沢な曲なんだな、ってことがよくわかる。
 
そんな難曲でも、絶対に音なんか外さないスゴい楽団もあるでしょうけど。
多少音ははずしても、勢いとか楽しさとか一体感がある生演奏って格別だなと、ほんとに実感した。
周囲のお客さんがミスをつつくよりもライブ感を楽しんでたのも気持ちよかった。
ほんとに楽しいコンサートでした。
 

オックスフォードミステリー ルイス警部

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AXNミステリーにて、念願のHD放送。
 
「主任警部モース」のスピンオフ。
最近は「新米刑事モース」もありますが、これはモースの相棒、”いいひと”ルイスが主任警部になって、ハサウェイっつうインテリなアンちゃんを従えて事件を解決するドラマ。
何年か前にチャンネル銀河で見たのですが、結構忘れてまして、大変楽しませていただきました。
 
このシリーズ、本国では今年で40話、話数では「主任警部モース」本編をゆうに越えてるのに、日本ではまだ20話しか放送されてません。
しかもAXNミステリーでの放送は12話のみ。
今後引きつづき放送してくれるのを切に祈ります。
 
 
このドラマの最大の注目点は・・
あのカタブツなマイホームパパのルイスが、モースが乗り移ったかのごとき、モテモテ大王になってるということですかね。
 
モースとたてつづけに奥さんをひき逃げ事故で亡くしたというルイス、犯人捜しに躍起になったり、結婚指輪を外せなかったりと、なかなか傷が癒えないようなのですが・・・
美熟女たちに誘われると、ほいほいとデートに行ってしまう!
 
それから、新しく上司になった警視のジーン。
ジーンは、とくべつ美人ってわけでもない独身熟女で、ルイスとはあくまで仕事の関係・・・だけど、ステキなドレスでパーティーに出席するたび、ルイスをエスコートにご指名する。
 
検視官のホブソンは、モース時代からのおなじみで、年は取ったけどお美しい。
彼女はモースが好きだったのよね。たしか。
だからルイスにはつれないことを言ったりもするけど、昔なじみの安心感というか、こなれた愛着があるっぽい。
 
そして、部下のハサウェイ(男)。
前職は神父っつう、どこにオチがあるんだかわからない経歴の持ち主でして。
ムダに背の高い馬面の兄ちゃんなんだけど、やや中性的な綺麗さもあり、スネイプ先生ことアラン・リックマンに似た低い美声も魅力的。
そのせいか、少年時代にゲイなお友達に言い寄られたとか、女だと思ってたらベッドで男だと告白されるとか、豊富ではないが濃いい経験を積んでいらっしゃる。
 
ま、お約束だわね。
 
 
さて、モースとルイスは夫唱婦随でしたが。
ルイスとハサウェイは、よく並んで歩きます。しかもシンクロします。そのうち腕組んで歩くんじゃないかと思います。
そして座るときも、近い。近すぎる。っていうか密着してる。
「シャーロック」のハドソンさんなら、100%カップル確定しますが、オックスフォードにはそういうツッコミを入れる人がいないので、そこはセルフサービスです。
それもまた楽し。
 

ジェイン・オースティン 秘められた恋

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いわゆる「ジェイン・オースティンもの」は余さず見てきたつもりの私。
この映画は、オリヴィア・ウィリアムズ主演の類似のドラマと混同していて長らく未見でした。
 
でも感想は・・
「我慢できなくはない。だが気をそそられるほどでもない」(by ダーシー)
ってとこですか。
 
今やオスカー女優のアン・ハサウェイ、大作から微妙な作品まで大活躍なジェイムス・マカヴォイ。
間違いなく美男美女だし、演技も上手いんだけどさ・・
オリヴィア・ウィリアムズの凄みには勝てない。
 
ところでこの映画が未見だと気づいたのは、「ルイス警部」のローレンス・フォックスの過去出演作リストにあったから。
 
ローレンスくんは、ジェイン・オースティンと一瞬婚約するウィスリーという紳士の役。
ジェインにやっとのことでプロポーズしたのに、「マヌケ」呼ばわりされるお気の毒な人。
しかも、彼女が言うほどマヌケとは思えない。やや反応遅いだけで。
そんな彼をマヌケ扱いとは、ジェインって、なんかヤな奴だ。
 
と思いつつ特典の未公開シーンを見てみたら・・・マヌケだった!
未公開シーンのほうが10倍面白いよローレンスくん。
 
長身すぎて、ジェインとのシーンでいつも頭がちょん切れてしまうのも可笑しい。
頭の先ならまだしも、平気で腹とか首とか・・壁紙のように雑な扱い。これはわざとだよね??
 
 
とまあ、編集を含め、なんだか微妙な感じの映画ではあったんですが。
ラストで、ジェインとお友達宣言したウィスリーが、
「世間一般の真理です」
と、「高慢と偏見」の冒頭の一言を言うシーンは、原作ファンとしては鳥肌もんでした。
 

新潮文庫の、新訳「自負と偏見」<高慢と偏見>

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「高慢と偏見とゾンビ」
という小説があります。
文章のほとんどが、オースティンの「高慢と偏見」そのまま、という人を食った作品で、たまに、思い出したようにゾンビが出てくるのが、腹立たしくもおかしい。
冒頭を読めば、「高慢と偏見」愛読者なら爆笑することうけあい。
 
「これは広く認められた真理であるが、人の脳を食したゾンビは、さらに多くの脳を求めずにいられないものである」
 
 
それはさておき・・・
2週間ほど前に新潮から新訳が出ました。
私、アマゾンも待ちきれず、ノーメイクのまま本屋に走りましたよ。
訳者は小山太一、という40歳の若い?方で、冒頭は、こんなふうです。
 
「世の中の誰もが認める真理のひとつに、このようなものがある。たっぷり財産のある独身の男性なら、結婚相手が必要に違いないというものだ。」
 
 
ここで解説するのも野暮な話ですが・・
この超有名な冒頭は、いわゆる三段オチなわけです。(たぶん。)
 
「自負と偏見(高慢と偏見)」なんていう、活動家のアジテーションみたいな題名つけといて。
「これは広く世界に知られた真理である」と、大風呂敷を広げて。
「金持ちの独身男は皆結婚したがっているものよ。」と、井戸端レベルに落とす。
 
でも、私の知っている範囲では、今までこの順番・・真理→独身男・・の順に訳したものがなかったんです。
「高慢と偏見とゾンビ」以外には(w)。
 
たとえば岩波文庫。
「相当の財産をもっている独身の男なら、きっと奥さんをほしがっているにちがいないということは、世界のどこへ行っても通る真理である。」
 
新潮の旧訳、河出、ちくま、光文社の新訳も・・・みんな、独身男→真理 の順番。
これじゃ、オチが最初にわかっちゃう。
 
広く世界に知られた渾身の三段オチ に対する、なんという冒涜。
 
でもこの新訳は、「真理」を最初に持ってきているのです。
それに、文章全体が生き生きしていて、リズム感があって、そのうえわかりやすい。
とくに印象が変わったのが「レイディ・キャサリン・ド・バーグ」かな。
誇張された悪役キャラだと思っていたけど、ほんとは責任感があり、世話を惜しまない立派な領主なんです。
ウザいだけで。(笑)
 
「ダーシー氏」ではなくて、「ミスター・ダーシー」っていうのもいいですね。
映画やドラマでこの作品を知った人間にとって、彼はやっぱり「ミスター・ダーシー」だから!
 
訳者あとがきもいいです。とくに「ジェイン・オースティン略年譜」は必見で、ジェイン個人の年譜だけでなく、アメリカ独立・フランス革命・ナポレオン戦争にインド情勢等々、世界の動きが付け加えられているのが参考になります。
  
新潮版は上下巻ではなくて一冊にまとまっているから、お値段は上下巻タイプの約半分。
字も大きくて見やすい(笑)。
 
というわけで、この訳、かなりおすすめです!
この方の他の訳も読んでみたい。映画「つぐない」の原作の「贖罪」とかね・・
(しょせん、映画ありきのチョイスですが。)
 
ひとつ驚いたのは、桐野夏生って方が、巻末の解説に延々と本編のネタバレ要約を書いていること。
読んだことがある人は、読む必要がなく。
読んだことがない人は、読まないほうが身のためです。(笑)

ショーシャンクの空に を今更初めて見た感想

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感動する映画といえば、ショーシャンクの空に、だよね、と人は言う。
 
・・ので見てみました。今更。
 
 
二十代の私だったら感動したのかなあ?
 
でも、今見るかぎり、なんだか肩すかしなんであります。
娯楽作として普通に面白いけど、感動する、というのとはちと方向性が違うような・・
ラストの海辺のシーンは、美しいけど嘘っぽく・・モーガン・フリーマン演じる元服役囚の妄想か、あるいは国境で射殺されて天国に行ったということなのか。
 
どっちにしろ、無実の罪をかぶったアンディー≒キリストが復活し、人に生きる希望を与えたという寓話なんだろうな、という冷めた見方をしてしまうのは、年のせいか、時代のせいか。
90年代の大金強奪ものなら、「トレイン・スポッティング」のほうが説教くさくなくて好き。
 
でもこれを見て思った。
当時は東西冷戦が終わって、未来に希望のある時代だったんだなと。
「ここでは誰もが無罪なのさ」
多くの人がそう信じていた、9.11以前の、ある意味よき時代のアメリカ映画。
 
ただ、モーツアルトを放送するくだりだけは感動しました。
ここは泣けました。なんでかわからないけど。
 
世の皆様がこの映画のどこで感動しているのか、具体的な感想が欲しいところです。
 

得賞歌 そして鼻から牛乳。

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Handel's Judas Maccabaeus

ヘンデル オラトリオ ユダ・マカベウスより 見よ勇者は帰る

中学のブラバン時代に運動会でエンドレス演奏したおなじみの曲。
楽譜に「ヘンデル作曲」とあったので、初めてこれが由緒正しい?クラッシックなんだと知った。
 
ところで、近頃は学校でもあんまり使わないのか、この曲を聞いた子供たちの反応は薄い。
いったいどんな曲で表彰してるんだろう?
「表~彰~状~あんたは エライ」というフレーズも知らんのだろうなあ。

ちなみに、ゲームオーバーの曲といえばショパンの葬送行進曲だとか。
バッハのトッカータとフーガといえば、鼻から牛乳だとか。
そういうのも、子供たちにはピンとこないらしくて、なんだか残念だな。

ということを、WOWOWで嘉門達夫のライブを見ながらこそっと思ったのでした。
なお、今では忘れられているようですが。
「チラリ~鼻から牛乳~」(inバッハ)は、嘉門達夫の創作ではなく。
もっと前から子供の間ではおなじみの歌い回しでありました。




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