「死せる孔明、生ける仲達を走らす」
適切かどうかは別として(笑)、男子シングルSPが終わったときに、真っ先に頭に浮かんだのはこの言葉でした。
羽生氏もオーサーも、もちろん、元気に生きてますけど~。(笑)
彼の演技とメダル獲得は、もちろん涙ものの感動でしたが、それとは別に、狙いすました戦略、冷静な実行力、そしてチームプレイといった知的なゲームにもまた、私は興奮させてもらいました。
というわけで、今更感満載ながら、今回は、平昌オリンピック男子シングルにおけるクリケット陣営の戦略と他の選手たちの動向などについて、シーズン前半からしつこく振り返っていこうかなと思っています。
・・が、その前に、これだけは言っておきたいということを一つ。(ちと長いけど)
---
伝導師・・っていう中二な言葉のチョイスはともかく。(笑)
羽生氏の将来の目標って、つまり、国やコーチのしがらみを超えた、選手育成のための支援やマネージメントだと思うんです。
世知辛い話だけども、新しいことを実現するためには資金調達力とか信用とかが必要なはずで、おそらくそのために、彼は五輪二連覇という肩書きを必要としてたんだと思う。
彼はまあ、根はリアリストですよね。
メダルの「価値」を作るのは自分でしかないということを、19歳のときからシビアに理解してた。
じじつ、彼のこの4年間は、彼が自分の五輪金メダルの「価値」を証明するためにあったように思います。
勝つだけなら方法はたくさんあったのに、常に天井の向こうを見て、競技のために競技をした。
その愚直すぎるやり方には賛否両論があったし、見ていてハラハラしたし、恥もたくさんかいただろうけど、彼は立ち止まらなかったし、なにより、全く見返りを求めなかったと思う。
・・多少の中二病的自己顕示欲を満足させること以外はね!(笑)
でもその努力の結果として、彼は「彼なら金メダルをムダにしない。」という絶大な信用を得たんじゃないかなと思うんです。
ケガをして、半ば絶望的な状態でさえ、「なんとしてでも彼に金メダルを獲らせたい」と、チームや関係者を奮起させるだけの信頼を。
昨日今日のことではなくて、4年かけて積み上げた彼の「徳」が皆を動かしたんだと思う。
何が言いたいかというと。
平昌の勝利は、彼一人では成し遂げられなかったと思う。
たしかに、チームの結束と、緻密な戦略があっての快挙だと思う。
でも、誰のおかげであろうと、どんな戦略の結果であろうと、それ自体、羽生氏が呼び寄せた、彼自身の力だったと思うんです。
これから彼の戦略について書こうと思うけど、もしかして「戦略勝ち」というような言い方も何度かするかもしれないけど、それは彼の価値を貶めてるわけじゃないんです。
なんなら、彼の演技そのものの素晴らしさについて、何十ページにもわたって書き続ける自信がある。
それを前提として言っておきたいな。
そしてあの時皆が感動したのは、それが偉業だからでも金メダルだからでもなく、あの演技を通して、時間空間を超えて、何かが交差したからでした。
そのことも、忘れないように、書いておきたいなと思います。
-----
さて、まずはシーズン前半について
今回はこれで終わっちゃいそう。
2016年GPFマルセイユ
私が最初に「オリンピックの到来」を感じた瞬間は、ネイサンのコーチであるラファが羽生氏にサインを求めたというニュースを聞いたときでした。
ラファコーチ・・抜け目のないやつめ。
と思った。(すいませんね、性格悪くて!)
羽生のいるところ、羽生ファンあり、メディアあり。
これから要所要所で立ちはだかるあろう羽生ファンと日本のメディア(笑)を味方にするための戦略だろうと私は考えました。
実際、「ライバルのコーチがサインを求めるなんて、羽生さん大人気で嬉しい~」ってな感じで好意的に受け止められてましたよね。(いろいろ言いたいが、ここで毒は吐かないでおく。)
-----
2017ロステレ
羽生氏は最強には違いないけれど、この4年間の彼のやり方は、ものすごく英雄的な反面、お世辞にも「賢い」とはいえなかったと思う。
いつも全力出しちゃうし、手の内は全部見せちゃうし、顔に出るし、煽られると応戦せずにいられないし。
オーサーは戦略家だけど、羽生氏は言うことを聞かないし。
正直、彼を「ちょろい」ヤツだと思って見くびった人もたくさんいたと思う。
・・もちろん、どんなに自爆したって、そんじょそこらのスケーターが彼を追いこすことはできないですけどね。
シーズン初めに4Loを入れてきたネイサンを見たとき、私はとっさに考えて身震いしました。
煽られたら黙っていられない羽生氏の気性を読んで、あえてやってるんじゃないか。
5連覇のかかるGPFでは必ず勝ちに行くだろうし、マイペースな昌磨もさすがに闘志を燃やすかもしれないし、続く全日本では一騎打ちになる。
そこで日本人二人が消耗しきったころに、悠々と構成を下げるつもりじゃないか。
・・漁夫の利はネイサンが持って行くという算段かもしれない。
羽生氏の4Lzは、そりゃあ素晴らしかったし、ものすごく満足そうで、見ていてうれしくなりました。
シーズン前からそのつもりでいたみたいだし、8月の公開練習では4LZ-3Tタノまで跳んでたみたいだし。(爆)
でも、成功を心から喜んだ反面、大会の興奮が冷めてくると、何ともいえないネガティブな気持ちが襲ってきたのを、今更ながら告白しておきます。
あのまま、オリンピックで優勝できるとはとうてい思えませんでした。
今思い出しても、その心配がよみがえってヒヤリとする。
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2017カナダ
詳細は忘れちゃったんですけど、ここでの私的一大二ュースは、昌磨がPちゃんのPCSを抜いたことでした。
台乗りを逃したPちゃんはこのあとネガティブモードになってしまい、NHK杯も欠場を発表。
PCSがジャンプの難度に連動するということを受け入れるのが難しかったのかなと、勝手ながら想像しました。
そういえばPちゃんはこのオリンピックをもって引退ということですね。
絶対王者のあまりにひっそりとした引退に、何かチクりと痛むものがあります。
オリンピックのエキシビション、ミーシャが呼ばれても彼は呼ばれなかったのが残念でした。
アイスショーに行こうかな・・
-----
2017中国
これまた詳細忘れちゃったんですけど、コリアダがショートで神演技をしましたよね。
彼はノーミスすればものすごいインパクトが強いし、私、大好きなんですけど、あまりに成功率が低く・・
転倒しても腐っても4Lz、ということなのかもしれないけれど、これ以降ノーミスができなかったのがとても残念でした。
引退と欠場オンパレードな2018世界選手権、20歳以下の部が表彰台を占めそうですが。
数少ない中堅として、いい演技見せて台乗りしてほしいんですけど・・。
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2017NHK杯
カナダ大会の後にオーサーは緊急入院して病み上がり。
このとき羽生氏が帯同していたのはブリアンコーチでした。
先日も書きましたが、NHK公式練習でのケガの責任について、ブリアンコーチはきっとひどいことを言われただろうなと想像して、ずっと心を痛めてました。
だからオリンピックの会場で、羽生氏が彼をどのように扱うかに、実はかなり注目していました。
そして結果はご存じのとおりです。
ちょっと横道に逸れますが。
羽生氏は、マスコミ対応はものすごく上手いですが、負けると悔しくて周囲が目に入らなくなっちゃうだとか、ハビやネイサンなどのスマートさに比べて、ちょっと生々しく幼く見えるときはありますよね(笑)。
でも、日陰に回ったものに対する共感、リスペクトということに関しては、誰よりも徹底した意識とこだわりを感じるんです。
努力しても報われない、真面目にやっていても認められない、立場や遠慮から前に出られない、そういう「奥ゆかしいもの」「歯がゆい気持ち」「地道な仕事」に対して、惜しみなく敬意を払うし、そういうときの羽生氏は心から充足しているようで、見ていて嬉しくなるときすらある。
たとえば空港などで、遠くにいるファンに見えるように飛び上がったりするのもそう。
もしかすると彼自身が人一倍、歯がゆさもどかしさ理不尽さの中で生きてるのかもしれないし、認められないことや誤解されることに地団駄を踏みつづけているのかもしれない。
素晴らしい行動だと過大評価したいのではなくて、そういう行動の裏に彼自身がにじみ出ているような気がして、私はこういう羽生氏を見るのがけっこう好きです。(まわりくどいな。)
さて、改めて、羽生氏のケガについてですが・・。
当時はこれほどケガが重いと思いませんでした。
わりと能天気な気持ちで、「むしろ断捨離」「追いかける立場になれる」と書いたけど、申し訳なかったな・・(汗)
https://blogs.yahoo.co.jp/yuyu13415/66694440.html (←NHK杯男子シングルふりかえり)
いずれにせよ・・
今更改まってなんですが、このような状況でもあきらめずに可能性を見続け、努力を重ねた羽生氏には、何度でも拍手を送りたいです。
ほんとうにおめでとうございました。
世界選手権は、昌磨が一人で3枠取ってくるから、心配するな。(←いろいろ鬼)
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2017GPF名古屋
ネイサンも昌磨もコリアダも、GPFのテーマは、「ここでは頑張らない」だったのかなと。
羽生氏がいればその陰でお茶を濁せる・・とみんな思ってたかもしれないけど(笑)、その彼が出場せず、特に地元の昌磨は盛り上げ役を期待されて、ずいぶんやりにくかっただろうなと思う。
オリンピックの記者会見で「日本でもっと大変な試合をこなしてきた」と言ったのもそういうことなんだろうな。(笑)
とにかく、やる気がないというか、誰も勝ちたくないというか、皆がみんな勝ちを譲り合ってる感じで、まあ、観客としてはつまんない試合でした。口には出さなかったけど、羽生さんの偉大さを実感しました。(笑)
そして昌磨に対して、「ここで勝てなくてどうする」というような声もあったけど、ここは二位で本当に良かったと思います。
うっかり勝ってしまったネイサンは、いよいよオリンピック優勝の期待をかけられて大変だったみたいだしね。
もし昌磨が優勝していたら・・
さすがにプレッシャーが大変だったんじゃないかなあ。
そして、昌磨が「オリンピック金メダル候補」と報道されたりして、変な羽生ファンがネチネチ言ったりして(爆)、余計な消耗戦が始まっちゃって、誰よりも羽生氏が迷惑したんじゃないかな。
(もう、そういうのうんざりなんで、ちょっと毒吐いとくわ。)
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全米
ネイサンの衣装の衝撃。
正直言っちゃっていいですか・・
あの衣装を見た瞬間、ネイサンの金メダルはないな、って思いましたよ。
オリンピックではさらに新しい衣装に変えましたしたけど・・結局同じようなものでしたね。
彼の動きやスケーティングは、特にショートは個性的で面白いし、「興味深い」ものではあると思う。
でも、やはりまだまだ荒いところがたくさんあるし、ジャンプ以外が薄いなあとも思う。
Pちゃんくらいの人がTシャツ衣装を着たら、それはそれで見どころがありますけども、まだ18歳の若造が、エレガンスのかけらもない衣装では、アラが見えちゃってしょうがないんですよね。
何かやむにやまれぬ事情があったんですかね・・
衣装の変更はラファコーチの意図ではなかったという話ですが。
後半につづく
適切かどうかは別として(笑)、男子シングルSPが終わったときに、真っ先に頭に浮かんだのはこの言葉でした。
羽生氏もオーサーも、もちろん、元気に生きてますけど~。(笑)
彼の演技とメダル獲得は、もちろん涙ものの感動でしたが、それとは別に、狙いすました戦略、冷静な実行力、そしてチームプレイといった知的なゲームにもまた、私は興奮させてもらいました。
というわけで、今更感満載ながら、今回は、平昌オリンピック男子シングルにおけるクリケット陣営の戦略と他の選手たちの動向などについて、シーズン前半からしつこく振り返っていこうかなと思っています。
・・が、その前に、これだけは言っておきたいということを一つ。(ちと長いけど)
---
伝導師・・っていう中二な言葉のチョイスはともかく。(笑)
羽生氏の将来の目標って、つまり、国やコーチのしがらみを超えた、選手育成のための支援やマネージメントだと思うんです。
世知辛い話だけども、新しいことを実現するためには資金調達力とか信用とかが必要なはずで、おそらくそのために、彼は五輪二連覇という肩書きを必要としてたんだと思う。
彼はまあ、根はリアリストですよね。
メダルの「価値」を作るのは自分でしかないということを、19歳のときからシビアに理解してた。
じじつ、彼のこの4年間は、彼が自分の五輪金メダルの「価値」を証明するためにあったように思います。
勝つだけなら方法はたくさんあったのに、常に天井の向こうを見て、競技のために競技をした。
その愚直すぎるやり方には賛否両論があったし、見ていてハラハラしたし、恥もたくさんかいただろうけど、彼は立ち止まらなかったし、なにより、全く見返りを求めなかったと思う。
・・多少の中二病的自己顕示欲を満足させること以外はね!(笑)
でもその努力の結果として、彼は「彼なら金メダルをムダにしない。」という絶大な信用を得たんじゃないかなと思うんです。
ケガをして、半ば絶望的な状態でさえ、「なんとしてでも彼に金メダルを獲らせたい」と、チームや関係者を奮起させるだけの信頼を。
昨日今日のことではなくて、4年かけて積み上げた彼の「徳」が皆を動かしたんだと思う。
何が言いたいかというと。
平昌の勝利は、彼一人では成し遂げられなかったと思う。
たしかに、チームの結束と、緻密な戦略があっての快挙だと思う。
でも、誰のおかげであろうと、どんな戦略の結果であろうと、それ自体、羽生氏が呼び寄せた、彼自身の力だったと思うんです。
これから彼の戦略について書こうと思うけど、もしかして「戦略勝ち」というような言い方も何度かするかもしれないけど、それは彼の価値を貶めてるわけじゃないんです。
なんなら、彼の演技そのものの素晴らしさについて、何十ページにもわたって書き続ける自信がある。
それを前提として言っておきたいな。
そしてあの時皆が感動したのは、それが偉業だからでも金メダルだからでもなく、あの演技を通して、時間空間を超えて、何かが交差したからでした。
そのことも、忘れないように、書いておきたいなと思います。
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さて、まずはシーズン前半について
今回はこれで終わっちゃいそう。
2016年GPFマルセイユ
私が最初に「オリンピックの到来」を感じた瞬間は、ネイサンのコーチであるラファが羽生氏にサインを求めたというニュースを聞いたときでした。
ラファコーチ・・抜け目のないやつめ。
と思った。(すいませんね、性格悪くて!)
羽生のいるところ、羽生ファンあり、メディアあり。
これから要所要所で立ちはだかるあろう羽生ファンと日本のメディア(笑)を味方にするための戦略だろうと私は考えました。
実際、「ライバルのコーチがサインを求めるなんて、羽生さん大人気で嬉しい~」ってな感じで好意的に受け止められてましたよね。(いろいろ言いたいが、ここで毒は吐かないでおく。)
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2017ロステレ
羽生氏は最強には違いないけれど、この4年間の彼のやり方は、ものすごく英雄的な反面、お世辞にも「賢い」とはいえなかったと思う。
いつも全力出しちゃうし、手の内は全部見せちゃうし、顔に出るし、煽られると応戦せずにいられないし。
オーサーは戦略家だけど、羽生氏は言うことを聞かないし。
正直、彼を「ちょろい」ヤツだと思って見くびった人もたくさんいたと思う。
・・もちろん、どんなに自爆したって、そんじょそこらのスケーターが彼を追いこすことはできないですけどね。
シーズン初めに4Loを入れてきたネイサンを見たとき、私はとっさに考えて身震いしました。
煽られたら黙っていられない羽生氏の気性を読んで、あえてやってるんじゃないか。
5連覇のかかるGPFでは必ず勝ちに行くだろうし、マイペースな昌磨もさすがに闘志を燃やすかもしれないし、続く全日本では一騎打ちになる。
そこで日本人二人が消耗しきったころに、悠々と構成を下げるつもりじゃないか。
・・漁夫の利はネイサンが持って行くという算段かもしれない。
羽生氏の4Lzは、そりゃあ素晴らしかったし、ものすごく満足そうで、見ていてうれしくなりました。
シーズン前からそのつもりでいたみたいだし、8月の公開練習では4LZ-3Tタノまで跳んでたみたいだし。(爆)
でも、成功を心から喜んだ反面、大会の興奮が冷めてくると、何ともいえないネガティブな気持ちが襲ってきたのを、今更ながら告白しておきます。
あのまま、オリンピックで優勝できるとはとうてい思えませんでした。
今思い出しても、その心配がよみがえってヒヤリとする。
----
2017カナダ
詳細は忘れちゃったんですけど、ここでの私的一大二ュースは、昌磨がPちゃんのPCSを抜いたことでした。
台乗りを逃したPちゃんはこのあとネガティブモードになってしまい、NHK杯も欠場を発表。
PCSがジャンプの難度に連動するということを受け入れるのが難しかったのかなと、勝手ながら想像しました。
そういえばPちゃんはこのオリンピックをもって引退ということですね。
絶対王者のあまりにひっそりとした引退に、何かチクりと痛むものがあります。
オリンピックのエキシビション、ミーシャが呼ばれても彼は呼ばれなかったのが残念でした。
アイスショーに行こうかな・・
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2017中国
これまた詳細忘れちゃったんですけど、コリアダがショートで神演技をしましたよね。
彼はノーミスすればものすごいインパクトが強いし、私、大好きなんですけど、あまりに成功率が低く・・
転倒しても腐っても4Lz、ということなのかもしれないけれど、これ以降ノーミスができなかったのがとても残念でした。
引退と欠場オンパレードな2018世界選手権、20歳以下の部が表彰台を占めそうですが。
数少ない中堅として、いい演技見せて台乗りしてほしいんですけど・・。
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2017NHK杯
カナダ大会の後にオーサーは緊急入院して病み上がり。
このとき羽生氏が帯同していたのはブリアンコーチでした。
先日も書きましたが、NHK公式練習でのケガの責任について、ブリアンコーチはきっとひどいことを言われただろうなと想像して、ずっと心を痛めてました。
だからオリンピックの会場で、羽生氏が彼をどのように扱うかに、実はかなり注目していました。
そして結果はご存じのとおりです。
ちょっと横道に逸れますが。
羽生氏は、マスコミ対応はものすごく上手いですが、負けると悔しくて周囲が目に入らなくなっちゃうだとか、ハビやネイサンなどのスマートさに比べて、ちょっと生々しく幼く見えるときはありますよね(笑)。
でも、日陰に回ったものに対する共感、リスペクトということに関しては、誰よりも徹底した意識とこだわりを感じるんです。
努力しても報われない、真面目にやっていても認められない、立場や遠慮から前に出られない、そういう「奥ゆかしいもの」「歯がゆい気持ち」「地道な仕事」に対して、惜しみなく敬意を払うし、そういうときの羽生氏は心から充足しているようで、見ていて嬉しくなるときすらある。
たとえば空港などで、遠くにいるファンに見えるように飛び上がったりするのもそう。
もしかすると彼自身が人一倍、歯がゆさもどかしさ理不尽さの中で生きてるのかもしれないし、認められないことや誤解されることに地団駄を踏みつづけているのかもしれない。
素晴らしい行動だと過大評価したいのではなくて、そういう行動の裏に彼自身がにじみ出ているような気がして、私はこういう羽生氏を見るのがけっこう好きです。(まわりくどいな。)
さて、改めて、羽生氏のケガについてですが・・。
当時はこれほどケガが重いと思いませんでした。
わりと能天気な気持ちで、「むしろ断捨離」「追いかける立場になれる」と書いたけど、申し訳なかったな・・(汗)
https://blogs.yahoo.co.jp/yuyu13415/66694440.html (←NHK杯男子シングルふりかえり)
いずれにせよ・・
今更改まってなんですが、このような状況でもあきらめずに可能性を見続け、努力を重ねた羽生氏には、何度でも拍手を送りたいです。
ほんとうにおめでとうございました。
世界選手権は、昌磨が一人で3枠取ってくるから、心配するな。(←いろいろ鬼)
-----
2017GPF名古屋
ネイサンも昌磨もコリアダも、GPFのテーマは、「ここでは頑張らない」だったのかなと。
羽生氏がいればその陰でお茶を濁せる・・とみんな思ってたかもしれないけど(笑)、その彼が出場せず、特に地元の昌磨は盛り上げ役を期待されて、ずいぶんやりにくかっただろうなと思う。
オリンピックの記者会見で「日本でもっと大変な試合をこなしてきた」と言ったのもそういうことなんだろうな。(笑)
とにかく、やる気がないというか、誰も勝ちたくないというか、皆がみんな勝ちを譲り合ってる感じで、まあ、観客としてはつまんない試合でした。口には出さなかったけど、羽生さんの偉大さを実感しました。(笑)
そして昌磨に対して、「ここで勝てなくてどうする」というような声もあったけど、ここは二位で本当に良かったと思います。
うっかり勝ってしまったネイサンは、いよいよオリンピック優勝の期待をかけられて大変だったみたいだしね。
もし昌磨が優勝していたら・・
さすがにプレッシャーが大変だったんじゃないかなあ。
そして、昌磨が「オリンピック金メダル候補」と報道されたりして、変な羽生ファンがネチネチ言ったりして(爆)、余計な消耗戦が始まっちゃって、誰よりも羽生氏が迷惑したんじゃないかな。
(もう、そういうのうんざりなんで、ちょっと毒吐いとくわ。)
----
全米
ネイサンの衣装の衝撃。
正直言っちゃっていいですか・・
あの衣装を見た瞬間、ネイサンの金メダルはないな、って思いましたよ。
オリンピックではさらに新しい衣装に変えましたしたけど・・結局同じようなものでしたね。
彼の動きやスケーティングは、特にショートは個性的で面白いし、「興味深い」ものではあると思う。
でも、やはりまだまだ荒いところがたくさんあるし、ジャンプ以外が薄いなあとも思う。
Pちゃんくらいの人がTシャツ衣装を着たら、それはそれで見どころがありますけども、まだ18歳の若造が、エレガンスのかけらもない衣装では、アラが見えちゃってしょうがないんですよね。
何かやむにやまれぬ事情があったんですかね・・
衣装の変更はラファコーチの意図ではなかったという話ですが。
後半につづく