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羽生氏記者会見 その2 外国特派員編

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背景色はこっちの圧勝だな!(笑)


いい質問も無駄な質問もありで、全体としては日本記者団とどっこいなんですけど、背景色の顔写りは完璧。

私、羽生氏のビジュアルにはあんまり興味ないんですけど、それでもオリンピック後の、何か凄みを感じるほどの美丈夫っぷりには感銘を受けてるんですよね。

印象的だったのは、4回転の難しさを「たとえ」で説明するという例のくだりですね・・。(37分45秒あたりから)
特に、「お産の痛み=鼻からスイカ」という例えを記者が持ち出したときの、想定外すぎる事例に動揺する羽生氏の姿がね、絵にかいたように完璧なんです。(細かい)

ここまで会見場を支配して、精神年齢一体いくつなんだという堂々たる貫禄で話してたじゃないですか。
それが不意を突かれて動揺して、頭を抱えるようにして顔を隠してしまう。
手つきやしぐさこそ大人びてスマートだったけど、隠しきれない10代のような初々しいたたずまいがあり。
背景の紺や、リボンの水色ピンクという色彩とあいまって、何か不思議なほどに美しかったです。(爆)

・・とか、一体何を言ってるんだろ。
全然伝わってる気がしないうえに私がただの変態みたいじゃん。(ただの変態です。)

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さて・・くだらない話はこのくらいにして。(爆)
質問は11分30秒からですね。

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日本の音楽を使うことについて(24分15秒ごろ)

「実際に、フィギュアスケートっていうのは、これまでの歴史から考えて、アジア人が勝つということがほとんどありませんでした。
やはり、ヨーロッパで発展して、それから、日本に渡ってきて、まあ実際にヨーロッパと日本との間に歴史の違いがものすごくありますし、やっぱり長さも違います。
そしてなにより、表現をするスポーツ、だとか、美しさ、というスポーツにおいて、アジア人は圧倒的に不利だと思われてきました。
そういった中で、僕は、日本の音楽を基調とした曲で金メダルを取ることができたのは、非常に歴史的だと思いますし、またこれから、自分の国の音楽であったり、独特な文化をもつ曲であったり、そういったものが増えていくきっかけになればなあと思います。」

これはきっと、ずっと言いたいと思っていたんだろうな。
まあ、男子シングルは、今となっては「アジア人じゃなきゃ勝てないんじゃないか」説があるくらいだけど(笑)、アイスダンスは、それこそ「美しさ」を競うがゆえに、長い道のりでしたからね。

やっと今年、シブシブがオリンピック銅メダルを取って、アジア系で初の快挙。
四大陸では、かなクリが、アジア人で初の銅メダル。
伊藤みどりがオリンピックでメダルを取ってから、じつに30年ですよ・・

そういうことも含めての、あえてのの発言だと思う。
しかも、たとえば「人種差別」だとか「不当」だとかいう被害者的な発想は一切絡めず、偏見なく、冷静に、彼らしい知性をもって分析した考察。
SEIMEIの意義についても、ナショナリズムに結論付けず、ヨーロッパも含めた全ての人に対して、「独特な文化をもつ曲」を使うきっかけになればと結ぶ。

全くそのとおりだと思うんです。100パーセント同意です。
しかもこれほどシンプルな力強い言葉で総括するなんて、グダグダ長文書き散らしている私から見ると恐れ多いほどですわ。
・・これが報道されるかどうかは謎だけど、素晴らしい弁論だと思いました。

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芸術と技術について(27分45秒ごろ)

「芸術というのは、明らかに、正しい技術、徹底された基礎によって裏付けされた表現力、芸術であって、それが足りないと芸術にはならないと、僕は思っています。
だからこそ、僕は、ジャンプをやる際、スピンをやる際、ステップをやる際、全てにおいて正しい技術を使い、そして、それを芸術として見せることが一番大切なことだと思っているので、(中略)それがあるからこそ芸術が成り立ってるんだな、というようなジャンプをこれからもしていきたいなと思っています。」

この日、何度か繰り返してましたねこの言葉。
これまで彼は、このようにまとまった言葉で芸術について言及したことはなかったように思いますが。

彼が言いたいのは、芸術論ってよりはフィギュア論だと思うんですよ。
彼が現役を続けるにあたって、何を見せたいのかということの決意表明のように受け取りました。

もちろん4Aを跳びたいというのは本当でしょうが、フィギュアにはこのような領域がある、ということを男子フィギュア界に忘れさせないため、見せ続け、つなげていくための現役生活という思いもあるのかなと思う。

そして・・彼は芸術=技術とは言ってないですよね。
技術の上に芸術があると言っている。
そこ、大事なとこだと思う。
羽生氏自身がどう考えてるかはわかんないけど、いつも書いてるとおり、彼の芸術性は、プログラムや音楽を彼自身としてスケートでリアルに語れることだと思うんですよ。
もちろん技術あってのことではあるけども、技術さえあれば彼のようになれるわけじゃない。

会見冒頭(9分20秒あたり)で、司会者が言った賛辞が印象的でした。
 「昨年から、フェイクニュース、と言う言葉が言われていますが、あなたやあなたの演技を見ると、こう言わずにいられません。ああ、これは本物だ。まさしく真実であり、美であり、芸術性だと。」

OH, this is a truth.
This is such a truth within the beauty, the artistry.

この言葉こそ羽生氏の芸術性を正しく表現してる気がするな。

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ハビエルのこと(50分ごろ)
嬉しそうにしゃべってましたね・・
スペインの記者に、ハビエルについて聞かれるのを待っていたと。
そしてハビエルがメダルを獲ったことで涙のスイッチが入ったと。

私もハビエルのメダルに一番泣いたヤツです。
だって・・平昌で、ハビはいつも「ユヅルはイイ調子だよ」と言い続けてましたよね。
そうじゃないと知ってたのに、一言も漏らすことなく、つけこまず・・
まるで敵に塩を送るような、正々堂々としたふるまいを通して、しかも素晴らしい演技をして・・負けたんですもん。

「本当に優しい人で、優しすぎて、ちょっと競技には向いてないんじゃないかなあと思うくらい優しいです。」
と羽生氏が語るとおり、今回ハビが優勝しなかったのは、ほんとうに、彼の「優しさ」ゆえという気がする。

そういえば、「グリーンルーム」というのは2015年世界選手権からできたと記憶してるんですが、あのとき衝撃的だったのは、羽生氏の銀メダルが確定したとき、優勝したハビにもたれかかって泣きじゃくるシーンがフジテレビで放送されたことでした。
しかも「泣いてないよ。泣いてないよ。」と言ったとか言わなかったとか。
「それ陰陽師のセリフだろが~」と、後日「SEIMEI」が発表されたときにツッコませていただきました。

あれから3年経つんですね~
今回は羽生氏が勝ったけど、グリーンルームではまた、同じような光景が見られました。
きっと、多くの一般視聴者が、また衝撃を受けたことでしょう。(笑)

いや真面目な話、ひとりのフィギュアファンとして、この6年間の、ハビと羽生氏の友情には感謝しかありません。
スペインの記者さんも、ありがとう。

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