第一話「サセナッフ」・第二話「リアフ城」ともに、原題そのまんまだったのだが、急に日本語版制作チームがやる気を出した。
「希望の光」
「The Way Out」・・・「出口」でええやん。
冒頭は21世紀の回想。
ここまで完全に無視してきたけど、フランク・ランダル。クレアの夫。
どうしてこんなにつまんない奴なのか。(笑)
クレアがこの男と結婚した理由で思い当たるといえば、遺跡でエロい誘いに乗ってくれるサービス精神くらいしかない。
↓同じ顔でも、こやつのほうがよっぽど魅力的。・・すくなくとも、退屈はしない。(笑)
でも、退屈フランクのおかげで・・
ジェイミーが登場するや、視聴者は、「夫のところに戻るべき」という正しい考えを100%捨て去ることができる。
昔の朝ドラみたいに、河野太郎と柴田恭兵の間で翻弄されないで済む。(←古すぎ。)
いや、主人公は一応翻弄される(フリをする)が、視聴者の妄想はいけいけムード一色である。
フランクなんて、知ったこっちゃない。
ところが今回、見境のない妄想は初めて打ち砕かれた。
↓今日の妄想:彼は若い子と一緒にいるべきよ。でも私以外には目もくれないんだもの。
↓んなことないから。wwwww
しかしよく見ると・・・
リアリーと熱烈にキスをしながらも、ジェイミーはクレアをちらっと見ている。
そして、彼女が目をそらすと、ちょっと嬉しそうに笑う。
・・・見せつけて挑発してるだけじゃん。(もちろん、実益も兼ねていそうだが。)
コンサートの途中でクレアを部屋に送っていったときは、これは体よくオバちゃんを追い払おうという魂胆かもしれん、などと一瞬勘ぐったのだが、ジェイミーはそこまで策略家でもワルでもなかったらしい。
とはいえ、お局クレアは(←こっちは確実に、策略家でワル。)は、これをネタにジェイミーをからかっていじめる。
そして、今までろくに思い出しもしなかったフランクを思って涙したりする。
「正直言って、私は嫉妬していた。リアリーに対してではなく、二人がいちゃついているのがうらやましかった。私は夫が恋しくなった。」
・・・・あくまでリアリーなんか気にしてないと言い張るか、お局。
そしてフランクは、やっぱりエロ用途限定なのだな。
でもここでクローズアップしたいのは、お局クレアでもちょい悪ジェイミーでもない。
クレアを諫めるマータフのこと。
最初にクレアを拾ったにもかかわらず、「羊のフン」の臭いがするらしいという以外、情報も出番もほとんどなかったマータフは、正直、アンガスと見分けがつかなかった。
でもこのシーンでやっと、「こちとら主要キャラなんだぜ」なところを見せてくれる。
もう、額の狭い酒飲みアンガスと間違えたりしない。
マータフ 「おい、リアリーのことで奴をからかってるんだろうが、これが親父かコラムに知れてみろ、ジェイミー坊やはげんこつ以上のご褒美をもらうハメになる。」
クレア 「奥さんとか?」
マ 「そういうことだ。・・でもリアリーはふさわしくない。」
ク 「そう?」
マ 「ああ。奴に必要なのは女だ。お嬢ちゃんじゃない。・・リアリーは50歳になっても小娘だろう。
俺も伊達に年を食ってないからその違いはよくわかる。
・・あんたもわかってるだろう。奥さん。」
うひょー。マータフかっこええ。
低くささやく声とこの男気。
お局クレアがジェイミー可愛さにちょっかい出してることなんか、とうにお見通しである。
ジェイミーがリアリーに手をだしたのも、クレアへのあてつけ半分、気まぐれ半分だとわかってる。
そして、小娘リアリーの天性のウザさも承知している。(笑)
全身全霊でジェイミーの味方。
そして、視聴者の味方。
でもここで疑問なのは、彼は何者なのか・・っていうこと。
それについては、まだまだ明かされない予定・・っていうか、2シーズン終わっても、彼のプロフィールはほとんどわからない。
いや、言い方を換えよう。
2シーズン終わっても、ジェイミー以外の登場人物は、謎だらけ。
・・・このドラマ、ジェイミーを偏愛しすぎ。(笑)
偏愛ついでにもうひとつ、悪魔の呪いの真相を突き止めるため、クレアを「黒い教会」に連れてきたジェイミー。
↓逆光額縁ショットがいちいち、無駄に美しい。
ジェイミー 「実は、黒い教会に行くのは男らしさの証なんだ。 俺もやったよ。 子供の頃、俺は無事だったが、いとこは取り憑かれて一週間近く寝込んだ。」
クレア 「悪魔のせいだと思う?」
ジェイミー 「俺は武骨者かもしれないが、教養はあるよ、奥さん。あなたほど博識ではないにしろね。
いい家庭教師がいた。・・ラテン語からギリシャ語からいろいろ教わったが、妖精や悪魔や、水中馬のおとぎ話は教わってない。
それでも、俺は根っからのハイランド人だから、悪魔のおひざ元で彼を冒涜するのは寝覚めがよくないね。」
クレア 「じゃあ、あなたは男らしさを証明しにここへきて、いったい何をしたの?」
ジェイミー 「べつに。跳ね回ったり、壁に登ったり、悪魔と戦う気合で石に小便をかけたり。
運がよければ食べられる野イチゴの類や野ニラが見つかった。」
教養もあるし、ワイルドで飾らなくて、ユーモアもあるんだよな。
いったいこれ以上なにを望む?(笑)
さて、子供たちが毒のあるスズランを誤食した可能性が浮上して、クレアはスズラン・・ lily of the valley(谷間のユリ)・・・の葉をブチっと引きちぎりながら考えをめぐらすのだが。
ジェイミーは、「lily of the valley」と言いながらクレアの横顔に恍惚となって、話なんかまるで聞いてない。
ちなみにバルザックの「谷間のユリ」は100年後の作品だからジェイミーは知らないはずだが、(そして私も当然、読んでないが。)登場人物のつれない人妻モルソフ夫人と美青年フェリックスと肉食系女子アラベルは、たぶん今回のエピのモチーフになっている。
↓声の調子が、表情が、むっちゃ可愛い。
・・・魔女クレアにかかれば、ジェイミー奪還なんて、朝飯前よ。