雑誌にグッズにロッテ製品その他モロモロ、関連商品にはほぼ手を出さないワタクシめが、あのエキシプロ「星降る夜」が好きすぎて、とうとうこれ↓をダウンロードしてしまいました。
IL・Voloの「BUON NATALE The Cristmas Album」
・・・あ、白状するともうひとつ、羽生卓上カレンダーも。(爆)
いやもう、コっテコテのクリスマスソングでありました。
最初は神妙に「アヴェ・マリア」から始まるんだけど、すでに何か、・・何か「予感」が走る。(笑)
そしてまったくHoly感のない「聖しこの夜」
MGMミュージカルも真っ青な「ジングルベルロック」
「ロッキン・アラウンド・ザ・クリスマス・ツリー」、いったいどんなロックかと思ったら、50年代ロック。
・・・・からの、最後のトリが、われらが「Notte Stellata(The Swan)」。
いやあ・・・Il Voloって、こういうアーティストだったんですね・・・・・・(笑)
でもまあ、なんというか・・楽しい。純粋に。
そして、この「ジェットコースター感」「ベタなポップス感」が、羽生氏の持ち味とうまくハマったんだなと、改めて思った次第です。(だからDisってませんてば)
もし今季、競技プロがハマらずにズタボロの成績で終えたとしても、「スワン」があれば私は生きていけそう。
・・だから、N杯なんか優勝しなくても、GPFがギリギリでも、行けなくたって我慢する。
どうぞ心おきなく、オリンピックに照準を合わせてほしいものです。
(ただし、各試合とも、エキシビに残れる程度には頑張ってほしい。w)
えっと・・・
本当は、Il Voloというより、サンサーンスの「白鳥」という曲そのものについて書きたかったのです。
小学校の鑑賞の時間の定番曲。
組曲「動物の謝肉祭」の最後に入ってるやつ。
私は「ピアニスト」と「化石」が好き。
↓化石
↓ピアニスト
ちょいとブラックなところがいい。
でも「白鳥」は、「名曲100選」とかにも入ってくるであろう、まっとうに綺麗なポピュラー曲ですね。
この、一見つまんなそうな曲の面白みはなんぞや。
という話ですが、結論からいいますと、「シンプルゆえの高貴さ」、これに尽きると思います。
この曲はほとんど「ドーシーミー」(原曲はト長調)っていう、下降する音型だけでできている。
ちょうど首を伸ばした白鳥みたいな形で、上がったり下がったり、上下反転したりしながらひたすら繰り返す。
それが、白鳥が首を伸ばしたり倒したり、毛づくろいしたり水にもぐったりしているような感じがするんだけども、それ以上のことは何もない、異様にシンプルな曲。
でも、その裏で、ピアノ伴奏の和音が結構凝った動きをする。
よく、この伴奏は湖のさざ波だとか、白鳥が水をかく様子だとか言われるんだけど、和音の変化に注目してみると、白鳥を見ている人間の感情というか、語り手の感情が水の動きにこめられてる・・といえるんじゃないかと。
白鳥の些細な動きに反応して、一喜一憂しちゃあ、勝手にじわじわ高ぶっていく語り手がいて。
その感情が最高潮に達したとき、つれない白鳥がすっと飛び立って消えてしまう、というストーリーが見えてくる。
絶対に手の届かない・・たとえば高貴な女性(男性でもいいのよw)への思慕というか賛美というか・・
ちょっと騎士道的でストイックなものを感じますね。私は。
Il Volo によるポップスバージョンも、リズムがちょっとシンコペーションしてるだけで、基本の構造は同じ。
最後のフレーズがリフレインされて、原曲よりもさらにわかりやすく、気持ちよく盛り上がってくれるところがミソですな。
羽生氏の演技の一番のみどころは、この部分に入っているイーグル3連続と、リフレインに入ってるシングルアクセルではないかと思いますが。
あの3連イーグルは、音の色彩に合わせて全部、スピードや手の使い方を変えてるところがいい。
シングルアクセルはほんとに美しかった。最初は抜けちゃったのか?と思ったけど、「抜けたのならあのままでいいから次もやって」って思ったし。(笑)
一番盛り上がる音でぽーんと跳んで、次の音に合わせてキュっと回転するタイミングの完璧さ。
次に跳ぶ3Aよりも助走が長いのは、音のタイミングを合わせるために長い滞空時間が必要だからなんでしょうけど、その莫大なエネルギー量も含めて曲想を反映している。
ウィルソンすごいな。
そして、3A。
今回は着氷いまいちだったけど、あのトリッキーなジャンプの入れ方ったら(笑)。
音楽としてはもう、盛り上がりを過ぎて、これから静かにおさめようってところ。
原曲では、静かに白鳥が跳び去ろうという、まさにそのタイミングに、この大技を仕掛ける。
こんなふうに何気なく跳べるのは彼だけだということを見せつける3Aだなと思います。
今回は着氷こそ良くなかったけど、綺麗にサラっと入ったら、さらにすごいプロになるよ。きっと。