長くなったので男子フリーだけ別にしました。
まさに神・大・会
6分間練習からの盛りあがりったら、NHK杯どころじゃなく、ライストからも尋常でない様子が伝わってきた。
ハビエルには「ピキャー」という悲鳴のような声が。
羽生氏には「うおあああ」という地響きのような声が。
Pチャン
でもって、第一滑走からこのクオリティーですよ。
もうこのメンツなら誰が滑ったってスゴかったと思うんだけど、Pチャンがカナダ大会の神演技を超えるとは、失礼だけど思ってなかったのよ。
ステップレベル4で満点(しかも9人全員満点!)だからねっ・・と、ここでまた絶妙に羽生氏の唯一のほころび(笑)につけこんでくるところもオツである。
しかしまあ、霜降りハイネック衣装から、ヒートテック練習着に変えてしまったのは何かのおまじないでしょうか。
だいす
いろいろ残念ではあったけれど、彼の滑りには心を動かされた。
J-POPがちと苦手なんで、プログラム自体はそんなに好きじゃないんだけど、そういうものを凌駕していたなあ。
ぼーやん
なんだかんだいって4回転4回入れちゃったよ。
3A-1LO-3Sを後半に入れてきたど根性も尊敬するよ。
だけどついつい見慣れちゃってて凄さがピンとこなかった・・ごめんなさい。(汗)
そして表現面もNHKよりパワーアップしてるよ。
2年も修行すれば、技術としての表現はうまくなるに違いないし、PCSもぐっと上がるんではないかい?
しょーま
彼の演技がほんとに好き。
まずなにより、振付師でもある、あのゴージャスなコーチの音楽解釈が凄い。
そして彼自身も、音楽を読み解く、アナリーゼするというプロセスを怠っていないように感じるんだよね。
しかも、その解釈を複雑な動きに乗せて表現できる身体スキルが素晴らしい。
かと思えば、フリーのトゥーランドットでは、あえて緻密にせずに、ただ音楽を音楽のまま、イタリアオペラらしく情熱的に演じきってますよ。
たった一年で、彼から放出される情熱量は三倍くらいに増量した。
今回はクリムキンも長かったような気がするし。
音楽を「演じる」、ということにかけて、たぶん彼の右に出るものは今の時点でいないんじゃないかしら。
もしいるとしたら、絶好調なデニス・テンくらいだ。
昨年の「クロイツェル」は、クラッシック好きの私的には身震いするような神プロだった。
今回のエキシでそれを滑ったのは、大味なオペラだけじゃなく、緻密なピアノ曲も得意ですが。という対ヨーロピアンアピールなのか。
または、ピアノ曲で神演技をしたPチャンと羽生氏に、表現力では負けねえぞという気概を見せたかったのか。
いずれにしても、彼の演技からは静かな頑なさと負けん気を感じるし、そこがまた好きだ。
演技が終わった瞬間に、余韻もへったくれもなくすっと素に戻るあっけなさも、案外好き。
そして表彰台のしょーま君・・・どうした!なにが起きた!なぜ羽生と腕を組みたがる!!
しょーまは表彰台というと必ず何かやらかしてくれる印象で、目が離せない。
今回は彼の日の丸すらおかしい。マルの大きさが怪しい。バチもんくさい。
・・・それにしてもウケすぎですぜ、羽生さん。声が聞こえそうな君が代熱唱いただきました。
↓問題の個所は7分40秒あたりから。後ろからのアングルが欲しい。(笑)
ハビ
彼はすんごい技術を持ってる。ということを、今季初めて思い知った。
細かいところまで技をきかせてるし、ステップからいきなり跳ぶジャンプもすごい。
たぶん今までも凄かったんだけど、それがビシっと決まるような、総合的にクオリティーの高い演技が、あまり出来なくて、ちょいちょい演技が途切れては現実に戻る瞬間が多かった印象がある。
しかし今年のハビは気合いが違う。根性が違う。
世界王者のタイトルは、いってみれば棚ボタ・・だと、たぶん御本人みずからそう思っただろうし、そう思われていることを感じて悔しく思うこともあっただろうと思う。
でもそのおかげで、彼は本当に強くなったのかもしれないな。
今では、少なくとも人間界で彼が一番だってことを疑う人は誰もいない。(笑)
ただ、表現力という意味では、ハビはどこまでいってもハビなんだよ。
粋で男らしい王道のMGMミュージカルプロがものすごく似合ってるけども、そこから先の彼がなかなか見いだせない、新しい彼の魅力が発掘できないところで若干インパクトが弱い。
その点、マラゲーニャはすごかったんだけど、今回もシリアスさやストイックさが足りないんだなあ。
卒倒するくらいセクシーなこのプロを見せて。安藤氏みたいに。(笑)
あと、4回転をビシっと決めてね。
羽生大魔神
フリー演技後一呼吸の余韻のあと、「大魔神」のように腕をさっと顔の前におろして「晴明」から「羽生氏」に戻る。
オペラ座の「バイバイ」といい、こういうこっ恥ずかしい小芝居をしらっとやってのける彼を見ていると、この世の罪も煩悩も赤っ恥も、除夜の鐘を撞くごとく洗われる気がする。
・・来年もいい年になりますように、全日本もいっちょお願いいたしやす。
・・・・
世界歴代最高得点、なんてものには一秒だって縁のない世の99.999%の凡人だって、いい結果を続けて2回出さなきゃならないときは怖いってことくらいは知っている。
だから、Pチャンにしょーま、ハビと、これ以上ない神演技が続いて、彼がどんなにビビったか。
どんな気持ちでパーフェクトな演技をして、ドヤ顔で〆たか。
そしてなぜキスクラで泣き崩れたか。
現地の人はもちろん、ライストを見ていた何万もの人間が、ジェットコースターのような彼の感情の流れを手に取るようによく理解していたと思う。
そして彼自身も、自分の気持ちがテレビの向こうにしっかり伝わっていることを自覚している。
「なんで泣いてるんだ俺?」という疑問は彼の本心だったかもしれないが、見ている人に「その理由を知ってるんでしょ?」と甘える気持ちがチラ見えする。
常に何か発信したり、疑問を投げかけたり、ときには甘えたりしながら、彼は周囲の人間だけじゃなく、メディアやファンを通して自分を見つめ、メンテナンスし、つくりあげているのだなと思う。
彼を通すと、テレビがどこでもドアみたいに向こうに繋がってるような錯覚を覚える。
だから・・
録画じゃなくて、生放送ください。優勝インタビューもプレカンもください。
・・・・
エキシビにてミラーボールのように周囲に光を放ちながら、魅惑の海藻サラダ衣装で登場した羽生氏は、まるでスローモーションをかけているかと思うほどの神々しさだった。
ジャンプ失敗(羽生比)がつづくなど、演技に関してはやや出オチの感もあったエキシビでありましたが、フィナーレはすごかった。
あの衣装で、まっちー完コピの腰振りダンスをする映像は、安藤美姫の仰向け「ズサー」と同じらいの破壊力だった。
彼の行動自体もじゅうぶん面白いが、どこまでも「あの衣装」が私のツボを刺激しまくっていることを、彼は知るまい。(あたりまえだ)
修造インタビューの「今から俺が滑んだぞ!」とともに、おおいに笑いを提供してくれたひととき。
もちろん本番の演技もよかったのよ。でも完璧すぎて、もう何も言う言葉がないから書けないのよ。
とにかくありがとう。ありがとう。
なお、フィナーレ終盤の様子を撮影した動画によれば、まっちーのエアギターつき「ズサー」も披露している。(笑)
クワド大会における4Loは、やや乱れたが着氷。
ハビちゃんは最初抜けて、二度目に4S(たぶん)。
こういうのも放送してほしかったなあ。(贅沢)