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Channel: 映画・海外ドラマ 覚え書き
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Jスポーツ大人女子解説による、世界選手権エキシビション そしてTCCつれづれ

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3人の大人女子が寄ってたかって好き放題に喋りまくる、Jスポーツの、通称「女子会」
世界選手権エキシビション全滑走が、週末にやっと放送された。

今年、彼女たちが食いついたのは、やはりアダム・リッポン。
フジテレビがなぜか放送しなかった、アダム・リッポン。

「魅力的ですよね。際立ってますよね。」(意訳:エロいですね。)
「ハンサムですよね。彫刻のような顔。」(意訳:エロいですね。)
「筋肉が美しくついていて素敵ですね。」(意訳:エロいですね。)
「彼の両手揚げジャンプの美しさは違いますね。」(意訳:エロいですね。)

昨年のエキシビも、女子3人の筋肉萌えが暴走気味だった記憶があるけれど。
今シーズン、ジュニア選手権(or欧州選手権)で、デニス・ヴァシリエフスの足長と美尻についてコメントしていた千鶴さんには衝撃を受けた。
もう怖いものなしだな。
いまや私は、女子解説陣(&千鶴)がどこまでいくか、ということを見届けたいがためにJスポーツを契約してるようなもんである。

余談だけども、今季感動したのは、滝野さんのアイスダンス解説。
まるでセリフを読み上げているような喋りと、詩的なコメントがじわじわくる。
軽妙とはいえないけれど、技術解説にとどまらない、スケーターへの愛、音楽や芸術への思い入れの深さが伝わる解説は、スポーツというカテゴリを超えて、アイスダンスの魅力を教えてくれた。


ともかく・・・・
今大会、ショート・フリー・エキシビ、すべて通して一番印象に残ったのは、たしかにアダム・リッポンだった。
演技、選曲、振り付け、構成、エロさ、観客の反応、すべてがパーフェクト。
会場がアメリカ開催だっていうところまで含めて、ほんとに素晴らしかったなとおもう。


さて、リッポンっていえば今週末のTCCに出てくれるそうで非常~にうれしい。
それにしても、TCCの男子シングルのメンツを見たときは

核兵器廃絶に成功した世界 

とはこういうものだろうかと思ったもんである。
荒涼とした大地に訪れた平和・・・(笑)
その一方で、激しい地上戦が繰り広げられそうな予感。

アジアチームはボーヤン・しょーま・テン殿下。
ぼーやんはまあ心配ないし、しょーまは先日、あんな狭いリンクで渾身の4回転フリップ見せてくれただけに期待は大きい。
しかしなにより、この2人は、勝つにせよ負けるにせよ、見ていて安心できるのだ。
そこが、世界を一瞬で焦土と化す核兵器との最大の違いである。

そして殿下には、競技よりもエキシビションを期待している。
冬のアイスショーで見たプログラムがとびぬけて素晴らしかったから。

女子シングルのメンツを見た正直な感想・・
アジアってこんなに女子が手薄だったっけ?(苦笑)
宮原・本郷のほかに、トゥルシンバエワしかいないとは。
いや、トゥルシンバエワちゃんがダメってんじゃないのよ。けっして。でもね・・・・・


カップル競技は、欧米がガチ勢を投入してきた。

・・・・アジア、勝てる気しねえ・・・(笑)
でも、世界選手権台乗りメンバーたちの演技がまた見られるなんて、うれしいな!
と思ったら、しらっとカップル競技を全カットして、シングルだけでお茶を濁すつもりらしい日テレ。
それは情報操作というのだよ。
戦況は正しく伝えないと。

チームリーダー
ディーン、ヤマグチ、ときたらもちろん伊藤みどりでしょ!
と思っていたら、最後に発表されたアジアチームのリーダーは、意外なことに荒川さんだった。
荒川さんはバリバリ活躍中すぎて、ほかの2人に比べてレジェンド感薄っ・・・と、失礼ながら思う。
まあね、あとの2人が金メダリストだから、そこに揃えてきたんでしょうけど。

・・五輪金メダルって、重いな。

TCC チームチャレンジカップ シングルショート

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しょーま すげー!!!!

と、今シーズン、何回叫んだだろう。

4F着氷、105点。
公式記録になるのかなあ??
(ならないような気がちょっとするが。)
なるとしたら、ハビを抜いて、PB記録としては二位、歴代記録としては4位、Pチャンより先に100点越えたことになるんだな。
おおおおお・・・・・

ところで中盤、演技の雰囲気が羽生氏に似てて二度見しちゃった瞬間があった。
KENJIの部屋で、ほかの選手の演技はほとんど見ないといっていた彼だが、「見たほうがいい」ってミヤケンさんに諭されていたのをふと思う。
今季はさすがに、いろんな選手を研究したんだろうな。

そのかわり・・・といっちゃなんだが・・・
四大陸の時にも書いたけれど、お得意の色気と湿り気がちょっと薄まってきたような感じもする。
あ、べつに、羽生氏に似てきた=色気が薄まった、とは言ってないけど。(いや言ってる。)

色気はまあ別にして(笑)
ノーミスの105点・・・のわりに、なにか物足りなさを感じた部分はちょっとある。
これはたぶん、NHKのショートで羽生氏が106点出したときに、「でもこのプロはイーグルサンド4Sが完璧なのが前提だよね。」と思っちゃったのと同じ感覚。
しょーまならもっとできる!という、贅沢な期待なんだろうと思う。
ただ、羽生氏の場合は何が足りないかが一目瞭然だったけど、しょーまに何が足りないのか、私にはよくわからない。

最後のステップでニコニコしていたのはよかったな。
もちろん、いい演技ができたからでしょうけど、アメリカでの演技経験が少し気持ちを変えた部分はあるのかもしれない、とも思う。


さて、このTCCという大会・・・
大会としては、まあ、そんなもんかなという感じ。
なにしろ、デニス・テンとアダム・リッポンの滑走がカットされたし(怒)

そうだ、6分間練習が男女入り混じり、ってのが新鮮だったなあ。
そして、キャプテンの立ち位置が、よくわからんかった。
欧州チームのディーン氏なんか、紹介すらされてなかったけど、それでいいのか?

新米刑事モース Case 10 表と裏のバラッド

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そういやサーズデイ撃たれたんだよね。あの後どうなった?
と思いながら見る冒頭シーンのBGMは「レクイエム」。
やっぱり駄目だったか・・・・そうだよな。「モース」だもんな・・・

と、よくわからない納得の仕方で、次に起こるであろう悲劇に備えた。
ああ、悲しいけど、心の準備はできたよ。さあ、エンデバー、またキュートな泣き顔を見せてくれるんだよね・・・(ドキドキ)

と思ったら、サーズデイ警部補、あっさり元気に登場した。

私の心配と悲しみとドキドキを返せ。

内容は、ほぼほぼ「華麗なるギャツビー」~「仮面の男」。
ディカプリオかい。


そして結論。
持つべきものは金持ちの友達。
出所後のモースを居候させてくれた同級生、金持ちなだけじゃなく、相当いいやつだ。

新米刑事モース Case 11 遠き理想郷

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それが往年の「モース」のキャラと違っていようが。
もはやモースであろうがなかろうが、どーでもいいのよ。

独特なセクシーオーラを持つショーン・エヴァンス(36)。
彼が、人妻に誘惑される、よろめく、その瞬間を見るために、この番組は存在するんだから。


でも今回のモースは堅かった~。
猛プッシュを仕掛けてくる人妻(推定45歳)をはねのけてしまった。

でもそこで言うセリフがいいじゃないの。

「うまく立ち回るのが苦手なので」

いや~ん。本気になったら後に引けなくなっちゃうってことじゃな~い。
もっと言って。(笑)

TCC チームチャレンジカップ シングルフリー

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それにしてもしょーま、ほんとにすごいな。
ニッコニコで、笑いがとまんない、って感じで滑っていた後半、細かいミスはあったけども、そんなことどーでもよくなるくらい、見ていて清々しかった。

ジャンプは、あんまり出来の良くないものもあったし。
コリアダみたいな、胸のすくような流れもあんまり感じなかったし。
ジェイソン・ブラウンみたいな、奥行の深いトランジションもそんなになかった。
ありていにいえば、技術として目に見える部分は、わりと大味な出来だったと思う。

でも、このプログラムで何を表現するのか、どう伝えたいのか、ということに関して、彼は一切の妥協をしていなかったなと。
もちろん4Fの成功は大きな目標だったろうけど、それ以降の彼は、エレメンツの出来不出来にはもう関心がないという具合に見えた。
そういう次元とは違う、もっと高い美意識で演技していて、特に後半、自分の価値観や演技に満足しているのを感じた。
そこが、すごいと思う・・・まるで20代後半のスケーターを見てるような感覚。
世界選手権の失敗で厄を落としたかな。
シーズン最後、ほんとに「いい演技」を見せてもらいました。
ありがとう。


でも、でも、このフリーの本当の主役は、やっぱりジェイソン・ブラウンとアシュリー・ワグナーでしょう。
とくにブラウンの復活、感動で涙が出た。
足元から体までが一体となってエネルギーを伝えていくような演技。
ただ単に、踊れる、っていうんでもなく、単にエレメンツがクリーンだっていうんでもなく、単にトランジションが巧みってんでもない。
あの有機的な一体感は他の誰にも感じない、特別なものなんだよなあ。
ただし、「ピアノ・レッスン」の何を演じているのかは、結局謎のまま。
というか、あまり追及してはいけないような・・・(笑)


ところで、ラジオノワの衣装がまた変わった。
ワーストドレッサー賞を獲得しそうな勢いだった水苔グラデーション衣装は、あれはあれで面白かったのだけど、さすがに不評だったんだろうか。
今回はおしゃれな黒レース衣装。
もう、タイタニックじゃなくてもいいじゃん、ってくらいおしゃれ。
でも結局、演技はあんまり入ってこなかったな・・・


さて、30年経ってもステキだった欧州キャプテンのディーンおじさまは、結局紹介されないままに大会は終了してしまった。(そんなあ・・・涙)


あまりに寂しいので、久しぶりにあの名演技をYoutubeで。
この、抑制され、研ぎ澄まされ、完璧に計算され、作りこまれた一挙手一投足・・

点数もスゴかったけど、ただただ息を呑んで無言でテレビを見つめたことや、なにか違うものを見たという興奮を、今も鮮明に覚えている。

TCC チームチャレンジカップ エキシビション

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「宮原知子さん」
それ紹介になってねぇーっ。(笑)
スケアメでは、紙にフェルトペンでカタカナ英語書いて読んでたしょーま。
マイクパフォーマンス、あれからぜんぜん成長してない・・ってか退化してる(涙)。
こういうときこそ、へたっぴいな英語を堂々と披露できる、あの偉大な先輩を見習うのだっ。
・・と思ったけど、ジャンプ大会で4F挑戦してくれたから許す。(笑)

とりあえず、今季全くエキシビに出演できなかったデニス・テンのショーナンバーが見られてよかった。
グレイシーの紹介も良かったしね!
今回は抜けちゃったけど、クリムキンからのジャンプ、やっぱ凄い。
冬のアイスショーでは、演技が凄すぎて気づいてなかったんだけど、衣装もスケスケでセクシーかつ尖ってる系。
彼の衣装はいつもセンスが良い。まっとうに見せるものは見せ、攻めるときはかなりエッジを攻めるけど、外さない。


チョック&ベイツが、匂い立つエロさをサングラスでカムフラージュして新プロを披露。
ビーチでバカンス、な2人の妄想?を、ちょっとドライなユーモアで見せる。
このプロ好き!大好き!!!
とりすましたようなユーモラスな雰囲気で、さらりと難しそうなリフトをこなしていく技術力。


さて。
この大会で何よりうれしかったのは、男子シングルの選手が、競技でもエキシビでも、みな衣装らしい衣装を着ていたこと。
(そこかい。)
そりゃ、普段着のほうが間違いないし、息が抜けててカッコいい場合もあるけどさ・・・
どんなにセンス悪くても、ツッコミ入れたくなっても、「衣装」を見るのは、それだけでうれしいんだよね。

あとあとまで記憶に残る変衣装。(字余り)

あ、ミハルのタキシードは、普通だけど、それでいいの。
じゅうぶん見る価値があるから。(笑)

これでシーズン終わったな~
あとは来月、Jスポーツのリクエスト放送と、アイスショーの数々を楽しみに待っております。
そのうち、ベストプロ、ベスト衣装、美プロ等々、また勝手に語るかも?
ペアはもう確定しております。
男女シングルはちょっと迷う。
そしてアイスダンス・・・いいプロ多すぎて絞りきれん・・・

中学校の「総合学習」

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息子の中学では、3年生になると、「総合学習」の時間に次のジャンルから一つを履修する。

着付け
茶道
合気道
将棋
大正琴
英会話

英会話の違和感・・(笑)

なんにせよ、昭和の中学生から見たら、隔世の感がある。
中学でこんなこと教える世の中になるなんて想像もしなかった。
昨日発表されたオリンピックエンブレムにも感じたことだけども、当時だったら、「こんなのダサい。地味。つまんない。」って一蹴されただろう。
そういう時代だったのだ。
・・でもあれはあれで、必要な時代だったのだ。
そして、今は今で、ちょっと行き過ぎている気もするのだ。


まあ、そんなオバハンのぼやきはおいといて。

学校での一番人気は着付けらしい。
・・ちょっと意外に思ったが、たしかに、夏のお祭りに浴衣着ていけるとか、そういうレベルで一番実用的、現実的な選択なのかもしれない。
英会話なんていつ必要になるか、ならないか、わかんないしな。
息子もほんとは着付けが良かったけど、着付は家でもできるから、という理由でお菓子が出る茶道を選んだとか。
これまた現実的な選択。

ところで、うちの近所には、着付けのお免状持ってるママや、嫁入り道具の着物を山のように持ってるママがたくさんいるんだけど、ほんっとに、全然、着ないんだよ。

もったいないなあと思う。
・・っていうか、その着物、私にちょうだい。(笑)

大河ドラマ 花の乱

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野村萬斎の最新主演映画、「スキャナー」を見た。

改めて思う。
野村萬斎・・・男を惚れさす魔性の男(笑)。

あんな表情、こんなしぐさ、こんなシチュエーションを見せたい、見てみたい。
という監督の萬斎愛と欲が強すぎ。(苦笑)
キャラはいいんだけどね・・・・
「のぼうの城」もそうだったんだよな。

まあ、映画のことは、今はどーでもいいんです。

その萬斎さんが初めて(たぶん)ドラマ出演した
「花の乱」
のことを、ちょっと懐かしく思い出したので貼り付けてみました。


私はまだ学生で実家にいたから、大河ドラマはけっこう見ていた。
視聴者おいてけぼり的などうでもいい時代考証とか、学術的なこだわりとか、NHKにしかできない「攻め」があった時期だと思う。
その中で、この「花の乱」は、攻めていながらも、あくまで「美しく」つくられた作品だったという印象が残る。

この短い動画を見ただけでも、キャストがすごい・・というか強烈。

当時襲名したばかりで、ドラマは初出演だったかもしれない野村萬斎のインパクト。
かたせ梨乃の女狐感。
草刈正雄のクセモノっぷり。
ここには出てないけど、山名入道、こと萬屋錦之助の、絶対的な大物感。

義政役は市川團十郎と新之助(海老蔵)親子がダブルキャストだった。
とくに、若い義政を演じた新之助が、クラクラするくらい凛々しくて美しくて・・・。
あまりに素敵だったので、あっという間に團十郎さんになっちゃったのがショックだった・・・

オープニングも印象に残っている。

このピアノを聞いたときは、「ええええっ??」と思った・・。
大河で、こんなにロマンチックな音楽が流れるとは・・(笑)

でも今聞いてみると、この音楽は能の「序破急」の構造をピアノ協奏曲にあてはめたものだったのね。
静かに始まって、終盤でテンポアップしていく。
ラストは一呼吸おいてから「ジャン」っていうんだけど、この感じは能の終わり方とよく似てる。

作曲した三枝成彰は、この数年前の「太平記」も担当していて。
この「花の乱」は、いろんな意味で「太平記」と対になってるドラマだった。

オープニングだけを見ても、躍動感のあった「太平記」と比べて、「花の乱」は、終末感があって、耽美。
「太平記」がバブル崩壊前、「花の乱」が崩壊後に制作されたことも関係あると思う。

芸能監修は、「太平記」では狂言方の野村耕介(故万之丞)さんが「わざおぎ塾」っていう、ちょっと泥臭い芸能集団を率いて参加していたのに対して、「花の乱」は、まだ若かったけどシテ方観世流の宗家、清和さんが担当していたというのも、当時、能・狂言界隈ではけっこう話題になっていた。
・・・あくまで界隈では、だけど(笑)

残念ながら、ドラマの内容はもうほとんど覚えていない。
ただ、上の動画の、萬斎さんの舞(中の舞?)のシーンはよく覚えてる。
途中から松たか子が引き継ぐんだけど、彼女のが全然「舞」じゃなくて、「踊り」だったことも。

久しぶりにこのシーンと、オープニングのメランコリーな音楽を聴いて、ついなつかしく語ってしまいました・・。


宮城道雄 輪舌

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近所の観音様で無料で箏曲が聴けるイベントがありまして・・ふらっと聞いてきました。
そこでちと印象に残った曲。


演奏された方が最初に、これは「ロンド形式」で作曲されたものです。とおっしゃったので。

そういう耳で聞いてみた。

するとなるほど、ロンドってほど大きくない気がする・・けど、主題が何度か繰り返されて、変奏されていく感じは確かにあるな。
で、最後にコーダで締め。
全体にあっさりとシンプルな流れで、序奏もないし、余計な装飾は一切なくて潔い感じ。

最後に主題が三連符になるあたりとか、オクターブ使いが、ベートーヴェンの前期ソナタっぽいな。
と思ったので、調べてみると、この曲は「手事」という曲の第三楽章で、一楽章がソナタ形式、二楽章が緩徐楽章、で、これが最終楽章なんだそうだ。
なるほどね~
たしかに冒頭の入りは「ザ・ソナタの最終楽章」って感じだ。

いやあ、おもしろかった。
しかし、通りすがりの人が立ち寄るこのイベントで、こういう曲を出してしまう演奏家の本気度もすごい。
ちなみにプログラムは

さくらさくらのアレンジ(作曲家忘れた)
宮城道雄 砧
宮城道雄 輪舌
三絃と箏による日本舞踊(題名忘れたけど、芸妓と舞妓の相舞)



以前、「宮城道雄の『春の海』はフランス近代音楽に触発されてるかもしれない?説」を勝手に唱えたけど、この「手事」はきっと、ベートーヴェンに影響されてる。
と思った。
違っても責任持たないけどね~。


箏曲に限らず、日本の音楽(純邦楽)って、流派とか師弟とか約束事の縛りで、すごく損してる感じがする。
流派が必要ないとは思わないけど、どこかの流派に所属しなければ楽器が弾けないとか、理解できない、っていう感覚は、どうなんだろうねえ。
すくなくともこの曲を聴くと、そんなことはない気がするけど。

私は箏を習ったことがないけども、宮城道雄って人は、そういうしがらみを打開して、ただ純粋に「音楽」として箏曲を世に出したいって思っていたのだろうと、ひしひしと感じる。
きっと、道半ばで亡くなってしまったんだろうな。

・・それにしてもここにアップした動画の演奏、すごい・・。

2015‐2016の感動プロを勝手に語る

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昨年度のマイベストおさらい

美プロ
パパ・シゼ「ピアノ協奏曲23番」
パン・トンのプロ全部、とくに「夢やぶれて」
宮原知子「ミス・サイゴン」
羽生結弦「バラード1番」

良プロ
ウィバ・ポジェの「四季」
川口・スミルノフ「マンフレッド交響曲」
宮原知子「ミス・サイゴン」
デニス・テン「シルクロード」←ほんとにこの題名でいいんかい。


今年は世界選手権アメリカ開催、ってこともあるでしょうが、北米好みのプロが全盛で、「美しい」プロは少な目だったかな・・・と思う。
というわけで、なんか泣けちゃった「感動」プロを4つ。

シブタニズ「Fix You」
宮原知子「ため息」
スイ・ハン「サムソンとデリラ」
ホクスタイン「レ・ミゼラブル」

シブタニズ
「全米が泣いた」
もう、どうやったら感動しないでいられるんだろう。
3連続のツイズルからこっち、涙なしで見られない。

宮原氏
ローリー・ニコルはもう嫌。
と思って全く期待してなかった今季序盤。
SPの「ファイヤーダンス」のほうが良さそうだな・・と思ってたのに、NHK以降、「ため息」に涙腺崩壊すること6回。
ノーミスを続けたこともすごかったけど、彼女の信念というかなんというか、とにかく一本筋の通った強靭な背中・・じゃなくて「何か」に感動させられる。
それはたぶん、作曲者のリストの意図とも、振付師のニコルの意図とも違う、もっと大きな、うねるような何か。
昨シーズンもそうだったけど、滑走というより「滑空」という感じのスパイラルでもうメロメロになる。
女子の感動プロはたくさんあってどれも捨てがたい。とくにポリーナの「風とともに去りぬ」とか・・・

スイ・ハン
ご飯の支度しながら、洗濯干しながら、てきとう~に流して見てたペア競技。
しかも昨シーズン、白菜とゾンビのへんてこりんなコントEXに少しも笑えなかった私は、彼らの演技に全く興味が持てず、世界選手権放送までマトモに見てなかった。
・・ああ、ワンシーズン、私はなにをしてたんだろう。(後悔。)
SPの「禁じられた遊び」は素晴らしいプロで、しかも神演技で、このまま優勝か?と思ったけど、フリーでミスが目立って、競技としてはまあ、残念なところもあるけども。
それ以上に、危険な大技を躊躇なく繰り出し続ける彼らの気迫と、絶対的な信頼感が、「サムソンとデリラ」そのもので、ほんとにぞくぞくした。
こういう文学的な視点からの選曲が、ローリー・ニコルはうまいよなあ。
(・・まあ、逆にそういうとこが押しつけがましくて好きじゃないプロも多いんだけどw)
ところでコーセーさんは、ぜひスイちゃんに「落ちない口紅」をプレゼントして宣伝するべきだと思うの。

ホクスタイン
今年のアメリカ勢、ほんとに素敵なプロが多かったな・・。
やっぱり世界選手権自国開催ってことで、プログラム作りからして気合入ってたんだろうな。
「正しいミュージカル」、「正しいお色気のポップス」、「正しいハリウッド映画サントラ」という、北米好みのプロが、欧州・アジア勢からも大量に繰り出された今季、本家本元のアメリカ勢のプロには、正しさを超えた意地と凄みがあった気がする。
「へ。くっだらねえ~」と言いつつ、やっぱり王道ハリウッド映画には勝てないのだ。
男子も素晴らしいプロ、素晴らしい演技がたくさんあった中、「泣けた」のはというと、やっぱり、ホクスタインの「レ・ミゼラブル」。
何人もがこの曲を使った中で、彼のが特別泣けたのは、こねくりまわさない振り付けで、彼自身の人間的魅力が感じられるような演技だったからかなと思う。
ウィキ見たら、婚約したんですって~あら~おめでとう~。

2015‐2016のマイベストプロを勝手に語る

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ともかく心に引っかかったプロ。それがマイベストってことで。

アイスダンス
クームズ&バックランドのフリー 「バタフライ・アンド・ハリケーンズ」
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持ち越しプロだけど。
ブリティッシュロックをカッコよく踊ってみせようとか、「ベストを尽くしてチャンスをつかめ」という歌詞で感動を呼んでしまおうとかいう安直な方向に逃げず、「バタフライ」と「ハリケーン」っていうド直球な解釈で勝負し、ぐるぐるとクームズさんをぶん回してくれたところが素晴らしいと思う。
そしてなにより、オープニングの意味不明なイリュージョン・・
バックランド氏がいかにもインチキ奇術師に見えて最高。このシーンだけでも何度も見たい(笑)。
衣装は、モルフォ蝶の鱗粉が飛んできそうなデザインで、怪しく美しい。
イギリスのスケーターが話題にのぼることがない昨今、TCCで大先輩(ってより神)のディーンさんとの和やかなシーンが見れたのも含めて感激。
アイスダンスでは、村本&リードの「ペニーズ・フロム・ヘブン」もよかったなあ。


ペア
スイ&ハンのショート「禁じられた遊び」
もちろん、ロシア勢のプロもよかったし、メーガンたちの神演技もあったけど、世界選手権で見たこのプロの衝撃には・・・
序盤、ギターの「タメ」にあわせてゆっくりふわっと回るところが絶品。
まるでアイスダンスみたい。
昨シーズン、パン・トンと一緒に表彰台に乗って、何かが変わったのかもなあ。
中国のペアって、すばらしい。


女子
本郷理華のショート「キダム」
とにかくインパクトがあって、一目ぼれした。
彼女がこれを演じきれてたかというと、そうではない気がするんだけど、でも彼女にしかできないプロだったなと。
衣装のギラギラした緑色、濃いメイク。
こういう魅力的な選手が日本にいる時間を共有できてうれしいな。


男子
羽生結弦のショート「バラード1番(新バージョン)」
悩んだ。
でも結局、このプロが好きなんだな・・・
昨季のが、ショパンが作曲しながら弾いたバラードだとしたら、今季のは、リストがリサイタルで弾いたバラード・・って感じ。
とくに4-3のあとの、激流に吸い込まれそうなスピードと、終盤のメタリックなスピンに持って行かれた。
彼の良さは、一瞬ごとに移ろって二度と戻らない、瞬間的な美の印象という気がする。
大会ごとに全然違う「一瞬」を見せてくれるところがワクワクする。
「SEIMEI」もよかったけども、あちらは神がかっていて、美の領域を超えてしまったようなところがあるので、やっぱり「バラード」のほうが好き。
来季のプロがほんとに楽しみだな。
ちなみに男子で悩んだのは、ハビエルの「マラゲーニャ」・刑事の「椿姫」・リッポンの「リヴ・フォーエヴァー」


ショパンコンクール入賞者ガラ全曲?放送

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先週、「クラッシック倶楽部」で、ほぼ一週間かけて放送されたショパンコンクールガラコンサート。
ショパンの曲は嫌いではないけど、そればっか延々・・というのは正直飽きるので、録画リストを見たときは一瞬引いた・・・

でも、昨年のNHKのドキュメンタリーでちらっと聞いた「ヒゲのカナダ人」の演奏は妙に心に残ってたもので、彼の演奏目当てで、このショパン祭りを一気見した。
・・・これで今年のショパン一年分は消費したな。

で。
そのヒゲのカナダ人、やっぱり良かった。
どうしても覚えられなかった名前もやっと覚えた。
・・・・えっと・・なんとかなんとか・・・アムラン。(←やっぱり覚えてない。)

なにせ4時間もあるので、当然掃除したり洗濯したり、台所からチラチラ見ながら聴いてたんだけど、彼のソナタ3番が始まったとたん、「はっ」と吸い寄せられた。
まあ長い曲だし、途中、ちょっとダレて掃除に専念しちゃった瞬間がなかったとは言わないけど、フレーズの歌い上げに人柄がにじみ出ていてものすごく心を引かれるし、要所要所の音使いも美しいし・・・
音楽を介した聴衆との会話を心得てるというか、ピアニストとして「出来上がっている」な。ってのが感想。
いいな。アムラン。
今月末のリサイタルは、オールショパンプログラムなので遠慮するけど、シューベルトとかバッハとかモーツアルトとかの、ちょっと奥座敷的な曲(どういう曲だ。)が聴けるチャンスがあれば絶対行く。
間違っても、ショパン弾きにはなってほしくない。(いや、だからショパンが嫌いってわけじゃないけどさ。(笑))


優勝のチョ・ソンジン(この名前はあっさり覚えた)の演奏も初めてまともに聞いた。
彼の演奏は、前半で聴いた「ノクターン」とか「ポロネーズ」とか「幻想曲」とかは、全然良いと思わなかった。
若いんだか大人なんだか、いい子なのか憎たらしい子なのか全然わからない、名無しのごんべみたいな演奏。

でも、「協奏曲1番」を全部通して聴いたら、案外よかった。
第一印象は「何考えてるんだかわからないやつ」って感じでいろいろ勘ぐっちゃったけど、これは意外と素直で単純で腹の中に何もない奴かもしれないな、と思った。
思いのほか若くて、純粋。
若さゆえの高揚感に、思わずドキっと身震いさせられるような、一言でいえば「カッコいい」演奏だったと思う。
「協奏曲」は大曲でもあるし、ショパンの若いときの作品でもあるし、こざかしくキャラクターを作りこむより、彼自身の目線で率直にぶつかっていこうという思い切りがあったのかも。

で、ちょっと興味を持って、コンクール一次の「幻想曲」の演奏をYoutubeで聴いてみたら、これが透明感があって、結構いい。
なんだ。ふつうに弾けるんじゃん。(謎の上から目線。)
ガラのはなんだったんだろう。音は濁るわ、コラールはこねくりまわすわ・・。
彼なりに模索しているということなんだろうか。
・・ここで焦って変な方向に行きませんように。

PIW 町田樹 あなたに遭いたくて 

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いやあ、ブレませんねえ。良いですねえ。町田樹。
去年の即興曲から一転して、こんなコテコテのJPOPにも全身全霊で挑むこの姿勢。
テーマはJPOP・・・と聞いてものすごく意欲を削がれていたけど、これならアリ。

松田聖子の「あなたに遭いたくて」
この曲が出た、ちょうど半年くらい前に、人生最大(たぶん。)の失恋をして。
「あれから半年の~時がながーれて~」って・・私は全然立ち直ってないよどうしてくれんのさ。
と自分に突っ込み入れながら聞いたっけな。
・・・これを選曲した主催者の思惑にハマりまくりだな。

町田氏の引退からは、もう半年どころか、1年半になるのかな。
この半年で、物凄い演技をたくさん目撃したけども、それでも改めて町田氏の演技のクオリティーの高さには胸を打たれる。
ただ単に滑るということがほとんどない足元から時折ふいに繰り出される美しいジャンプ、長大なイナとイーグルが描く弧、自在な回転、ランビエール様を思わせる胸の開いたシャツ・・じゃなくて、なめらかな動き。
センスの良い振り付けってわけじゃないけども、ジワジワと迫ってくる情熱に真実味がある。
昨年のプロほど語りすぎずに、ただ見てほしい、という感じがするのがまた、いいな。


ところで、宇野しょーま・・・あの変態イーグルはいったい何・・
彼はどこへ行ってしまうのだろう。(笑)

インサイド ヘッド

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安定の面白さ。

感動する映画だとは聞いていたし、まあ、実際涙腺崩壊ポイントはいくつかあったけども、たとえば「トイストーリー」とか「ベイマックス」的に、映画のストーリー自体が「泣ける」話というわけではなく。
主人公の記憶だとか家族とのかかわりとか、些細なことだけどもふっと涙を誘われる部分がいくつかあった。
あと、360度すべての物事に対して、ひとつも「批判的」な描き方をしたものがないことがとても印象的だった。

この映画、空想世界とか精神世界とか過去とかで内容を膨らませてはいるけども、現実に起こるのは、「11歳の女の子がお化けの出そうな家に引っ越し、学校に行き、家出未遂をする」だけ。
内容はほぼ「となりのトトロ」。

ちなみに冒頭の引っ越しのシーン、新しく住むことになった家の色やデザイン、屋根裏に入るシーン、お化けが出そうだというシチュエーション、そして「床に寝る」などなど、「トトロ」的なものがちょいちょい出てくる。
たぶん意識的だとは思うけど。

大きく違うのは、トトロの主人公たちが根本的に周囲を信頼していたのに対して、この映画の主人公はすべてに「警戒心」と「恐怖」しかないこと。
実際には誰も嫌な人なんか出てこないんだけどね。
だからひたすら孤独に自分と向き合って、周囲の力を借りずに自力で解決していくしかない。
そのときの心の作用を擬人化して、綿密に辻褄をあわせて「SF」として表現している。
そのへん、いかにもアメリカっぽい。


太ったピエロが、主人公の「トラウマ」として登場するシーンが刺さった。
私もピエロは怖いと思う。
あんな「なまはげ」級に怖いものを誕生日に呼ぶなんてどうかしてる。
あれが怖くないなんて、アメリカの子供はいったいどういう神経してるんだろう・・と思ってたけど・・・
やっぱり怖いんだな。(笑)
ちなみにこのシーンも、トトロのシーン(メイがおなかの上に落ちるシーン)によく似ていた。


あと、頭から離れないしつこいCMソングとか、大人の脳内の会話とかも。
特にパパの脳内の筋肉バカっぽい思考回路と、ママの脳内に何の脈絡もなく現れるイケイケ男の妄想が秀逸。
・・・私の脳内はあんなふうにいきなりイケメン男とか出てこない・・・むしろうらやましい。

そんなママに似たのか、主人公の「想像の彼氏」は、「君のためなら死んでもいい」と言い続けるホスト系のルックスのカナダ人。
大量に複製されて使い捨てにされるという、あまりに残酷な末路に大笑いしてしまった。
最後にホッケー場で男の子にぶつかったシーンでは、「まさかこの子??!!」と思って超~期待したら、ぜんぜん違ってまた大笑いした。
まあ、あの体形なら私はホッケーよりフィギュアを勧めるな。(←そこ?)



リクエスト放送 2012年世界選手権 男子シングル

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Jスポーツによる、男子シングルやりすぎリクエスト放送その1。
2012年世界選手権男子シングル。

ショートから上位7人。
フリーから総合上位の9人+小塚選手が放送された。・・・たぶん。

解説は、岡部さんと千鶴さんによる、新しいものだった。
当時の解説が聞きたかったけど、選手たちの現在も盛り込みつつのコメントは、これはこれで楽しい。
とくに、ハビエル・フェルナンデスのショートの解説で、千鶴さんがぽろっと漏らした一言。

「サスペンダー、してますね。」

は秀逸。
ああ、千鶴さん、心の友よ。

演技では、なんといっても高橋大輔がショート・フリーともに圧巻だったと思う。
フリーの演技後、あまり点が伸びなかったことに会場がざわめく。
たしかにね・・・そうだよね・・・・
ただ、ジャンプとスピン周りの技術はどう見ても羽生氏のほうが上だ。
高橋氏の演技の素晴らしさは、点数評価という意味では、ちょっと難しい部分だったのだろうなと改めて思う。
今のジャッジのほうが、そういう部分も含めて点数に反映しようという意志がありそう。

Pチャンは、今よりシンプルで、彼のスケートの伸びを見せびらかすような、圧倒的なプロ。
当時あまり彼の演技を面白いと思わなかったのは、プログラム自体に面白みがなさすぎただけなのかも。
でも、滑りはたしかに凄い。
ステップの途中で足を滑らせていたのに、GOEマイナスがなく、+2をつけたジャッジさえいたらしいのは、あのよろめきも振り付けの一つだと勘違いしたか、あれだけ「おっとっと」な状態から転倒せず、演技を全く途切れさせずに笑顔でつづけたことに「+2」をつけたのか。


デニス・テンの歌心あるスケーティングはやはり独特で美しいなあ。
ただ、体の柔らかさが、スピンやステップでは良いけど、ジャンプで裏目に出ている感じで、プログラム全体のメリハリやフレーム感にもちょっと欠ける・・
解説もおっしゃるとおり、昨今の彼の素晴らしい演技から見れば、だいぶ見劣りしてしまう。
まだ18歳なんだな。
ケガが多いのは、体が柔らかすぎるところも理由のひとつなのかもしれないな。


羽生氏は、ショート・フリーともに、冒頭のどでかいジャンプと3Aのすさまじい威力で目を奪われた。
彼には、弓道でいう、「弓を射ずして骨を射る」の感覚がある。
テンくん同様、体は柔らかいんだけど、骨の使い方がうまいというか、必要に応じて体に硬い芯を通せる自在さというところで一歩先んじてる印象。
今はもっと筋肉質なところもあるけれど、この大会での演技は、柔らかさと鋭いジャンプの対比がほんとうに鮮やかなのが魅力的だと思う。
そして、フリーの演技の、ほぼトランス状態というか、何かが取り憑いたような気迫もすごい。
冒頭からいきなりのスピード感で、一気に別世界に連れていかれる感じがする。

でも個人的な好みからいえば、私は彼のショートの演技のほうが好きかもしれない。
プログラムに対等に向き合って、等身大の彼自身としてそこにいる感じがするから。
なんとなく、この年の「悲愴」と「ロミジュリ」は、今季の「バラ1」と「SEIMEI」によく似ている気がした。
いろんな意味で、今の彼の原点を感じて面白いなと思う。
でもある意味、彼はこの路線でのアプローチが到達点を迎えて、少し飽和気味になってる気がするので、またちょっと違う方向の演技を見てみたい感じはする。
来季はいったいどうなるんだろう。

ひとまずこのへんで。

殿 利息でござる

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「仙台まで歩いて帰る」

いや、そのほうがかえって迷惑だからw。


小さいスクリーンながら、時代劇としては近年まれにみる「盛況」だったと思うこの映画。
平日なのに空席が少なくて、人の気配でちょっとザワついてる、映画館の楽しさを久しぶりに味わったなと思う。
田舎ではそういう映画体験ってなかなかできないんだよね。


・・・ふつうに面白かった。
一年、また一年と過ぎていく時間。
結局、どこにも悪い人なんていないし、だれも悪いようにしようとは思ってないのに、それがわかりあえるまでの道の遠さ。

彼らが戦ったのは悪だとか権力だとかじゃなくて、幕藩体制っていう「社会システム」で。
およそ50年後には大塩平八郎の乱をおこし、最終的には明治維新にもつながっていく「危険な思想」を、巧みに隠し、口止めすることで政治運動化することを避けつつ目的を達した・・というのが面白いなと私は思う。
商人の知恵からはじまった計画が、いつのまにか美談にすりかわって、それが体制側の人間をも動かしていくという、「話がどんどん膨らんでいく」過程も、けっこうおもしろい。

それにしても、仙台藩がこれを見逃したのは、その危険性に気付かなかったからなのか、温情あるところを見せようと思ったからなのか、それほど財政に困っていたからなのか。
映画を見る限り、藩主がお花畑だったから・・としか思えないけど(笑)、実際はどうだったんだろう。

ともかく、この時代・・つまり18世紀なかばの地方で、既に時代は動いていたんだなと、個人的にはそこにちょっと感銘を受けたかな。

さて、そのお花畑っぷりまで含めて、羽生氏の重村は、この映画における藩主の役割を正しく伝えていたと思う。
私がいいたいのは、殿さまらしいだとか、所作が美しいだとか、そんなことじゃないのよ。
つまり、藩主なんてのは、悪気があろうがなかろうが、名君だろうが迷君だろうが、しょせん庶民の手の届くものじゃないということ。
つまり彼がどんな人間かなんて、だれも知らない。想像したこともない。
そういう人物が、突拍子もなく現れてくることの破壊力・・・
そう。破壊力。それに尽きる。(笑)

はっきりいって、彼がどう演じようとしたか、上手く演じられたか、なんてことはどーでもよい。
彼が現れると、それだけで観客が不思議な動揺と笑いに包まれる・・・・そこがキモ。
・・・いや、ディスってないっすよ・・・けっして・・・・(笑)

セリフは思ったよりまともだったし。
歩き方がぴょんぴょんしてるのもまあ、異世界の人だと思えばもう、何があっても納得できますことよ。

っていうか、「春風」って、お茶の銘じゃなかったんすか・・・?

庄内地方南部の笹巻き

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お節句はとっくに終わったけど、やっと笹巻きが到着。

笹巻・・いってみれば粽の一種。
同じものは山形県全域と、秋田や新潟にもあるらしい。
だけど、たいていの場合、中身は白い。

黄色い、灰汁につけた笹巻は、庄内地方の、鶴岡市周辺限定らしい。
・・そもそもマイナーな笹巻の、そのさらにマイナーなバリエーションに関心を持つ人などあんまりいないだろうが、これは透き通った黄色いプルプルした食感の餅菓子で、餡はなく、塩味も砂糖味も一切ない。
ほんのり灰汁の苦みがあって、皮をむくときに、アルカリ独特のぬるっとした感触が手に残る。
慣れた人間からすればおいしいけれど、山形の知人に言わせると、黄色い笹巻はちょっと手が出ないらしい。
私も、白い笹巻は食べようという気にならない。

笹のせいかアルカリのせいかわからないけど、この気候でも常温で数日から1週間くらい保存が可能。
・・まあ、群馬は5月といっても暑いから、すぐ冷凍するけど。
食べるときに、黒蜜と青きな粉をつける。

イメージ 1イメージ 2

イメージ 3イメージ 4

これを、ふつうの黄色いきな粉で食べると、なぜか異様にむせる。
スーパーで売っている、黄色いきな粉に抹茶で着色した不届きな「うぐいすきな粉」もよろしくない。
そんなもんで東北人をだまそうったってそうはいかねえぜ。関東人。
(いや誰もだます気はないと思うけど)

とかなんとか思いつつ、添付のきな粉を皿に出してみて「あれ?」と思った。
黄色いじゃん!
緑色のビニールに入ってたから、皿に出すまで緑色だとばかり思ってた。(笑)
食べてみれば、青きな粉の味で安心したけど・・・・きっと、年を越して退色しちゃったんだな。


今では買ってる笹巻きも、昔は毎年祖母が大量に送ってくれて、おすそわけまでしていた。
でも独特の食べ物なので、人にあげるにも勇気がいる。
東北出身者をはじめ、いろんな人に試してもらったけど、反応いまひとつ微妙な中。
ダメ元で長崎出身の人に出してみたら、まさかの大喜びだったんだそうな。

長崎では、これに醤油をつけて食べるとか。

自分で作ってみたいけど、問題は、木灰が手に入らない、というところ。
少し前に知ったことだけど、これに似たものは、中国や台湾にもあるらしい。
長崎に中国・・・おそらく北前船。
点が線になる瞬間。

中国では、灰汁じゃなくて、かん水を使うともちらっと聞いた。
でも、塩梅がよくわからない。
息子にたのんで、FB仲間の台湾っ子たちに聞いてもらおうかしら。

シューベルト 4つの即興曲 D899-4 (90-4)

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秋の発表会の曲は、「即興曲D899-4」に決定。

ザ、小中学生の発表会の定番曲。
子供が弾いて面白い曲じゃないけど、可愛いドレスで+3点、ちょこまかと動く手でさらに+3点。
ああ、即興曲まで弾けるようになったのね、という、お免状的な役割で+3点。
という感じの曲。

でも今は、そういう付加価値ゼロ・・・というかマイナスからの出発だから、怖いなと思う。
この曲、地味に8分もあるし・・・しかもほとんど繰り返しだし。
ただ漠然と弾きます、ってわけにはいかないよな。
とくにペダリング・・前回バッハだったのでしばらくペダルに足をかけてないから、ちょっと研究しないと。



10年くらい前、itunesで最初にダウンロードした音楽が、ツィマーマンの即興曲だったとおもう。
「D899-4」だけをかたっぱしから試聴して、一番良いと思ったのが彼の演奏だった。

でも、ここにアップした動画は、同じツィマーマンでもぜんぜん違う。
これは87年の演奏で、ショパンのバラードとシューベルトの即興曲という謎のカップリングのDVDに入っている。
たたずまいの美しさや張り詰めたストイックさを含めて見どころは尽きないけど、どの曲もパフォーマンス要素が強めで、少々タメがくどい感じがする。
私はCDのほうが好きだな。CDで慣れちゃったせいもあるでしょうけど。

このDVDでおもしろいのは、「舟歌」だったかな・・・・椅子が途中で替わるんだよね。
おそらくミスか何かがあって差し替えたんだろうけど、空気が張り詰めているだけに、あ、それはアリなんだ。と、じわじわくる。
CDの「完璧」な演奏も、じつはちょこっと、いじってるのかも・・??(笑)

リクエスト放送 2010年世界選手権 男子シングル

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先々週に引き続き、2010年世界選手権ダイジェスト。
岡部さん・千鶴さんと一緒に振り返る2時間。

アダム・リッポン(当時20歳)が美しい!!!
今とはちょっと雰囲気が違って、もっと繊細でたおやかで、若くすがすがしい。
6年も前だから、きっとまだ青さがあって、それはそれでおいしいんだろうな(じゅる)。
的なけしからん予想をしていたけど、とんでもない見当違いだった。
今と比べても全く遜色のない表現力で、絶好調の高橋大輔はまあ別としても、ひときわ目を引く演技。
そして今は絶対に着ないであろう、さわやかなグリーンの衣装。
ああ、リッポンはやっぱりタダモノじゃなかった。
当時は高橋大輔以外ではハビエル・フェルナンデスの面白演技しか気に留めていなかったからなあ。
・・そういやハビエル出てこなかったな。

ウィルソンの振付も素敵。
彼の振付は、「物語ありき」というのかな。音楽の色彩とか歌い回しの美しさよりはストーリーを大事にしてるような感じがする。
でもこの「かもめのジョナサン」は、演技中、美しくないところが一瞬もなくて、音楽的にも面白い。
特に両手を挙げるリッポン・ルッツの「ぶわっ」と盛り上がるところとか・・・
彼自身が音楽を解釈して、モノにしているなあという感じ。

千鶴「あ、やっぱり若い・・」
岡部「かわいらしいですね♡」
岡部「このくりくり頭のヘアスタイルも似合ってますよね。」

女子解説の萌えコメントも絶好調。

岡部さんは、彼が当時、後半1.1倍のポイントのボーナスがなくても、ジャンプを前半にまとめなかったこと、そしてこの大会で唯一ドーナッツスピンをしていたことに言及していた。
そうそう、そういう話が聞きたかったのよ。
結果は6位だったリッポンの演技が、どうしてこれほど魅力的なのか、私はただ「美しい」としか言えないけども、やっぱり技術面、構成面でも理由があるんだな、とわかってうれしい。


高橋大輔の解説は2012年同様、相当盛り上がって、熱が入ってた。
とくにフリーの「道」のとき、岡部さんは声のトーンからして、ただの「ファン」状態(笑)
たしかに、この演技はほんとに素晴らしかった。
具体的な振り付けが多くて面白いプロだしね。
でも、個人的には「道」って、高橋比であんまり感銘を受けないんだなあ。
たぶん・・映画「道」が好きじゃないから・・

そうそう、高橋選手の演技についての技術的な解説があったら面白いのにと思う。
彼の演技の素晴らしさは誰が見てもわかるけど、それがどう点数にからんでくるのかっていう部分は当時、あんまり詳しく解説されなかったと思うんだよね。(少なくとも地上波では。)
だから、この機会にいろいろ聞いてみたかった。
まだ2007年世選と2011年四大陸が残ってるので、そちらに期待。


パトリック・チャンの演技は、やっぱすごかったなあ。
とくにショート。
でも、フリーの「オペラ座」は、岡部さん絶賛だったけど・・・うーん・・・
このころのパトリックの印象は、とにかく「つまんないけど強い人」というものだったから、今見たら印象が変わるかもしれない!と思って、ちょっと期待してたんだけどね。
今見てもそれほどいいと思えない・・・・(汗)
足技づくめの凄プロなのはわかる。彼のポテンシャルというか、巧さはわかる。でも、美的じゃないの。
でも岡部さんはこれを「物語が伝わるプロ」っていうからさ・・・私の鑑賞眼が足りんのだな・・。
あ、振り付けがローリー・ニコルだって・・ああ、なんか納得。(笑)


さいごに、ツボった一言。
ケヴィン・レイノルズについて

千鶴「がんばってほしいですね。」
岡部「日本語も上手ですしね。」
・・・え。そこですか。

キングスマン

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イギリスおバカコメディーも、本気を出すとかなりやるな、というところを見せつけた感。
バイオレンスものはけっして好きじゃないけど、これほど面白いなら劇場で見ればよかったな。

何が素晴らしいって、コリン・ファースの「紳士」っぷり(笑)
「高慢と偏見」・・いや、「アナザー・カントリー」以来、彼の出演作をゆるゆる見守ってきた、自称往年のファンとしては、彼がこの年でスパイアクションをやったということだけで感慨深いけども。
「ブリジット・ジョーンズの日記」のころはたるみ気味だった体が締まって、若いころよりセクシーだったのには、ちょっと感動すら覚えてしまった。

彼は今となってはアカデミー賞俳優だけども、持ちネタである「紳士」キャラを小出しにして、つまり、「紳士すぎて、紳士としてしか生きられない不器用な」役柄でゆるいコメディーにちょいちょい出ていた時期も長かったと思う。
今回もその延長にある、どこかユーモア漂う「紳士」の役柄を、ただのお笑いに終わらせず、本気でカッコよいスパイキャラに仕上げてしまったことの感動。
ほんとうに、改めて惚れ直したわよ。コリン・ファース。

そして、なんといっても圧巻なのは、終盤、アメリカの教会に集まった狂信的なキリスト教徒が殺し合いをするシーンと、首の後ろのチップが「威風堂々」に合わせて爆発していって、キノコ雲が湧くシーン。

そりゃ、彼らなりの理屈はあるんだろうさ。
でもこいつらはどう見てもおかしいし、全く、話し合いの余地などないし。
そうだ。粛清してしまえ。
という、ゾンビを見ているような気持ちになる。
そして、「威風堂々」をBGMに次々に爆発していく人たちを見て、心からスカっとする自分に驚く。

たぶん、そうやって、原爆は落とされた。
べつにその是非とか善悪とかモラルとかの話をしてるんじゃありませんよ。
遠隔操作で人間殺して世界を救う武器は、それを見てスカっとする人間がいる限りなくならないと思うのよ。
核兵器は時代遅れだから、シムカードにしよう。
って時代が来るかもね。

まあ、ひどい残虐なんだけど、とにかく面白い映画だった。
現実には起きてはいけないことだから、映画で見る。
映画でスカッとして、現実では憂さ晴らしをしない。
それでいいじゃない。

好きなシーン
・中東のどこか・・の遺跡がぶっ壊れて、破片が字幕になるオープニング
・コリン・ファースの部屋に、大衆紙「SUN」のおバカな見出しがずらりと並んでいるシーン
・主人公が、「ニキータ」は知らなくても「マイ・フェア・レディー」を知ってること
・JBがジェームズ・ボンドじゃなくてジャック・バウアー
・盾になる傘
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