原題は「RENT」・・地代、または、不和。
怒涛のように始まった最初の四話からちょっと空気が変わって、物語がハイランダーの目線に。
今回の主役は、誰がなんと言おうと、私にとってはネッドなのだ。
食えない狸弁護士だが、根は愛情深いというか・・・クレアの言葉を借りれば、「情熱的」
今後も彼は表に回り裏に回り、さんざんクレアのために尽くすことになる。
・・たぶん、彼の頭にあるのは常にマッケンジーの利益だが、よそ者のクレアのこともしっかり計算に入れておろそかにしないだけの情と良心と、なにより法の知識を持ち合わせている。
優秀である。
素敵なナポレオン帽と、リボンで束ねたグレーの髪。
このりりしい姿を見て!
乱闘シーンで、クレアを守って・・・・・もとい、しがみついて難を逃れるネッドが最高。
そしてもうひとり、今回の登場人物で好きなのは、おしっこでウールを媒染&縮絨するこの女性。
なんだろう。この存在感。
これから縄文土器を作るんだけど手伝わない?って感じの、ワールドワイドかつ太古な顔立ちに心惹かれてやまない。
でも日本だったら間違いなく女芸人枠ですよ。
カトリーナみたいな超絶美人な女優さんがいる一方で、こういう「ふつうの顔」、かつ強烈なオーラを放つ女優さんがゴロゴロしてるらしいイギリスの演劇界ってすごいと思う。
ところで、ウール縮絨中の女性たちが歌っているゲール語の歌。
改めて聞いてみたら、ときおり、「モニアンダウン」って言ってる気がする・・・
もし聞き間違いでなければ、茶色の髪の人(この場合男性か)を歌ってるってことだろうなあ。(違ったりして。)
ゲール語をあえて翻訳しない演出、意図はわかるんだけど、こういう所はちょっと残念。
とまあ、ちょいちょい面白いネタはあったけど・・・どーもこのエピ、クレアが性悪でいかん。
彼女の立場はわからなくもないが、「つらいのはゲール語でのけ者にされること」って、どうよ。
隙あらば逃げようとしている人間が、仲間に加えてほしいと願うなんざあ、図々しいぜ。
そして、なにかと正義感あふれ、空気を読まない20世紀アメリカな言動の数々・・・
「大西部の女医ドクター・クイン」かよっ。(笑)
そういや、だんだんジェイミーがサリーに見えてきた。(ウルフはどこ?)
でもとりあえず、今回「も」ジェイミーのクレア愛はひしひしと伝わった。
どう見てもクレアのわがままだろ、ってときにも、かいがいしく手をさしのべる。
クレアに踏んづけられた直後でさえも、この笑顔・・・。
ついでに、部屋においでと言われてポカーンなジェイミー。
「こんなところじゃ寝られないでしょ。せめて部屋に入って。暖かいから。」
などという使い古された手練手管も、18世紀ではまだ目新しいのか?、ガチで反応するジェイミーの可愛さ。
クレアはこともなげに言ってるけど、ぜったい下心120%だから。
百歩ゆずって彼女に下心というほどの情熱がなかったとしても、もしジェイミーがその気を起こしたら、それはそれでラッキー、と思ってるから。
間違いない。
でも、皮肉なことに、うかうか誘いに乗らなかったことで、クレアの中でジェイミー株は急上昇する。
女ってのはホントにめんどくさいもんだ。
がんばれ。へこたれるな。ジェイミー。